24~25年秋冬レザー 革らしい柔らかさ、人工的な意匠性を融合

2023/12/14 15:00 更新有料会員限定


 24~25年秋冬向けのレザーフェア(資材連)は、革らしい柔らかさと、人工的な意匠性を融合したハイブリッドな風合いが目を引いた。トレンド色は、ルビーレッドとターコイス。深みを出しながら、重たすぎないテクスチャーを両立させる加工へと工夫が凝らされる。

(須田渉美、価格は1デシ=10センチ平方=当たり)

 開発素材に共通するのは、革の風合いを現代的に解釈した見映えの良さだ。

 川善商店が24年春夏向けから供給を始める「リン」シリーズは、「欧州メゾンが使う革のクリアな発色性」を目指したもの。独自にオランダ製の微粒子の顔料を取り寄せ、自社工場で安定生産する体制を整えた。色あせのしにくさも特徴の一つ。「長持ちする品質は、サステイナブル(持続可能)な消費につながり、ブランドの信頼を高める要素」になる。主にカナダ産の原皮を使い、程よく厚みがあって柔らか。45色を扱い、来秋冬に向けては葡萄色(えびいろ)を推す。50~60円。

川善商店

 相川商事は、パープルやグリーンなどダークトーンで透明感のあるセミアニリン仕上げの牛革スムースを揃えた。オイルの配合を調整したり空打ちをしたりして、ソフトタッチも両立させる。エナメルレザーが復活しそうなトレンドをくんで「エナメルのレベルまでいかない艶感」を表現する。パール系の顔料を使うなど、さりげない光沢を添えて品よく見せた。60円。

相川商事

 ニッピ・フジタは、柔らかなゴートの特徴を生かし、色の変化を楽しめるエナメルレザーを提案する。銀面にオイルを染み込ませてプルアップ仕上げにエナメルを載せており、引っ張ったり曲げたりすると、圧力を加えた部分が薄くなって、濃淡が出る。例えば、つり込みの工程を経る革靴は、ラストに沿って柔らかな色味に変化したデザインに仕上がる。70円弱。

ニッピ・フジタ

 メタリックな光沢もエナメルに並ぶトレンド要素で、動きや立体感のある見え方がカギとなる。

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