レディスアパレルのランドワーズ EC事業が急成長

2019/06/05 06:29 更新


 レディスアパレルメーカーのランドワーズ(東京)は、自社ブランドのEC事業を急成長させている。17年9月から販売しているゾゾタウンを中心に、2年目には一気に3億円の規模に拡大。ワンピースでヒット商品も出た。卸事業で培った企画力や生産背景に加え、着用画像のクオリティーで差別化する。

(石井久美子)

 同社は91年設立で、大手セレクトショップのオリジナル商品を手掛けて成長した。その後、自社ブランドを開発し、現在は大手セレクトショップや地方の有力専門店向けに、自社ブランドの卸販売やODM・OEM(相手先ブランドによる設計・生産)を行っている。加えて新規開拓として、自社ブランドのEC販売に乗り出した。これが想定以上に好調なため、今年1月にEC部を作り、さらに強化する。

プロに依頼

 オリジナルは「オードリーアンドジョンワッド」「リヨカ」「フレア」の3ブランド。オードリーアンドジョンワッドは、卸しの取引先のテイストが多様なこともあり、ジャンルレスにさまざまなアイテムを企画する。マスのトレンドを追うのではなく、海外コレクションも研究しながら先を行く提案を心掛けているという。購買層は30~40代が中心。リヨカは3年前に他メーカーから事業を譲り受けた。

バイヤーに好評だった「リヨカ」の19年秋物のワンピース

 ECで一番のカギとなるのが、商品の着用画像だ。最初は社内でまかなっていたが、服が魅力的に見えるようプロのモデル、カメラマン、ヘアメイクを探して依頼し、「画像の質を上げた」と横野律子EC事業部部長。ゾゾタウン内での広告やクーポンで、目に留まりやすくもした。中心価格も春夏物で1万2000円、秋冬で2万円弱と、ゾゾタウンの中では競合が少ないゾーンとみる。

ワンピースが人気

 元々、ダウンジャケットやペルーの手編みニットウェアなどの秋冬物が得意だが、ECの売り上げを引っ張っているのはトレンドでもあるワンピース。片面はニット、もう片面はニットと布帛プリーツのドッキングで、前後逆でも使えるワンピース(1万5800円)は、18年秋冬に1型で約4000万円を売り上げた。ゾゾタウンの総合ランキングで2位に入ったこともある。今秋冬も発売予定で、新色や進化バージョンも出す。ほかに、インド生産のコットンワンピースなども人気だ

ゾゾタウンで2位にランクインした「オードリーアンドジョンワッド」のワンピース

 18年12月期は全社売上高約10億円のうち3億円をECが占めた。ECの9割がゾゾタウンでの売り上げだ。今期の売上高は既存事業横ばい、EC2億円増で、全社12億円を計画する。

 EC市場の競合も激化している。今後は着用画像の質や独自性をさらに追求し、SNSマーケティングでもブランド認知を高める。消費者に商品ラインナップを見せられる実店舗を持たないため、いずれは「試着もできるショールームを開設したい」考えだ。

ペルーの手編みニットウェアやダウンジャケットも得意とする


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