レディスのデザイナーブランド19年春夏は、ナチュラルな見た目で機能的な新しい素材を使いながらブランドの個性を表現したコレクションが揃う。一つのアイテムで様々なシルエットのタイプを用意するなど、自由なスタイリングができるようにしているのも特徴だ。
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●ディウカ
素材生かしドラマティックに
立体的なカッティングや量感たっぷりのシルエット、国内外の産地と協業したオリジナルテキスタイルを生かしながら、日常に着られる機能や実用性も意識した。手入れが簡単だったりストレッチを利かせたりしたアイテムが揃い、ボトムはエレガントな見た目でもウエストゴムのタイプが多い。
イタリアのタフタで作ったマキシ丈のラップスカートは、日差しに映えるようなオレンジが印象的。見返しを大きく取り、ハンカチーフヘムにして動きのあるラインにした。ハンカチを写真に写した柄をジャカード織りにした播州のコットンは、光沢感、かすれた風合いと色の濃淡が美しい。ドレスやスカート、ビッグシルエットのガウンコートがある。今回は東京手描友禅の伝統工芸士、小倉隆氏とも協業した。ドレスやきもの風の羽織りを作り、インクジェットプリントで写したボタニカル柄はどこかオリエンタルな雰囲気。
●カミシマチナミ
アフリカンなひし形模様
はるか昔、現在のコンゴにあったクバ王国のテキスタイルからイメージを広げた。独特の幾何学模様、特にひし形を素朴なタッチで描いた柄が中心となる。ひし形模様は総柄プリントにしてブラウスやドレスを作ったり、パンツやスカートに刺繍で1列に配したり。柔らかなコットン・レーヨン、張りのあるコットンなどのアイテムが、その柄でプリミティブな雰囲気になる。ゼブラとレパード、サボテンが描かれたサバンナの柄もある。
アイテムはコートの種類が豊富。テーラーカラーだが直線シルエットでさっと羽織るだけの1枚仕立て、ギャザーのボリュームたっぷり袖が可愛いノーカラー、上襟やポケットのフラップを大きく取った変形トレンチなど。ボトムはパンツが多く様々なシルエットが揃う。スパンコールヤーンのVネックプルオーバー、羽織ってもいいシャツ、パッチワークのTシャツなども充実。
●ヴゼット
得意のアイテムを新鮮に
プレスプリングコレクションは、春らしい新鮮さとブランドらしさを感じられるアイテムを揃えた。素材はこのところ市場にぐっと増えている、軽くて明るい表情のものが多い。
コートとスカートに使った花柄のカットジャカードもナチュラルなリネンタッチと軽さが魅力だ。薄いベージュとホワイトを基調とした大人っぽい柄で、新しい春の気分がいっぱい。コートは春夏にいつも出しているノーカラーのシンプルな形。スカートは膝下長めの丈のフロント全開タイプで、カジュアルなトップと合わせてスニーカー合わせもおすすめだ。
マドラスチェックをプリントしたコットンのブラウスとスカートは、それぞれ一つで使えてセットアップすればインパクトあるドレス風。デイリーなニットトップは、ラグラン袖の肩、肘回り、袖口に段々フリルを飾った。