熊本地震 小売業の休業相次ぐ

2016/04/16 15:00 更新


損壊で再開見通し立たない店舗も


 強い地震に見舞われた熊本ではファッション関連小売業にも被害が及んでいる。16日午前の段階では深刻な人的被害は確認されていないが、従業員の自宅損壊、店舗の一部損壊や水漏れ、売り場商品の散乱などで15、16日の営業を取り止めるケースが相次いだ。規模の大きい余震が続いており、施設内に立ち入ることができず被害実態さえつかめていない所もあり、営業再開のめどがつかない店舗も多い。

 熊本中心市街地では、下通り商店街のアーケード天井が危険な状態で通行禁止となっており、鶴屋百貨店、熊本パルコ、あうね熊本が施設の安全確認や売り場整理のため15日に休業。16日の2度目の大きな揺れで更に店内外で被害が拡大、パルコでは外壁タイルの一部剥落や店舗入り口のガラスが損壊、15日に一旦整理がついた売り場は再び混乱状態となった。鶴屋では特に本館の安全確認のため、16日は従業員を含めて原則入館を見合わせている。営業再開は不透明だ。

 イオン九州が熊本県で営業するGMS8店、小型店7店のうち16日に通常営業したのは2店だけ。イオンモール熊本と宇城では天井の一部崩落や防煙垂れガラスの破損などで全館営業できず、GMSのイオンは物資供給のため15、16日とも店外で臨時営業した。イオンモールでは設備の安全確認を優先して2SCとも17日までの休業を決定、その後の見通しも明確になっていない。

 イズミは県内で9店を運営、16日に食品売り場など一部開店できたのは3店だけ。ゆめタウン光の森など大型SCも全館休業で、特にゆめタウンはませんでは天井の一部崩落など建物の損壊が激しく立ち入り禁止状態で当分の間休業する。

 専門店のベイブルックは、15日にはSC内の4店など計5店は休業したが、被害が軽微だった路面店7店は順次営業を行った。しかし、16日は路面店でも営業できる状態になく、従業員自身の住居などの被害も多いことから16日は自宅待機とし、17日も出勤可能なメンバーで店舗での整理を行う。

 パーマネントモダンは内壁の一部が壊れ商品が散乱、「営業は2、3日後にできるかどうか。1週間ほど余震に警戒しないといけないので、その状況を見て」営業再開を決める。

 専門学校ではヒロ・デザイン専門学校で、生徒・教員に怪我などの被害はなく棚の収納物が散乱した程度で校舎への大きな損傷はなかったが15日は休校。熊本デザイン専門学校も生徒・教員に怪我などの被害はなかったが、棚の収納物が散乱し、校舎の壁の一部にひびが入った。余震が続いており月曜日の休校を決定している。

(2016年4月16日15:00現在)



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