イタリアのレディスウェア「クリスティーナ・ティ」は24年春夏から日本向けの卸売りを再開する。伊トリノの自社工場をはじめ、生地作りからイタリア生産のクオリティーの高さが魅力だ。東京都内で7年ぶりに展示会を開き、来日したデザイナーのクリスティーナ・タルディートさんに、物作りに対する思いを聞いた。
(須田渉美)
旅することが大好きで、娘とともに世界各地を旅していて、アフリカやペルーなど、旅先で目にした自然の景色、人との触れ合いをクリエイションに反映しています。常に大事にしているのは色彩です。北極で見たアイスカラーも、白から黒へと異なる色が存在しています。白だけでもたくさんの色があるし、異なる白のテキスタイルの服を合わせるのって素敵でしょう?
イメージするのは、フェミニンさとともにパワーを持った女性像。着用する人それぞれのパーソナリティーに合わせた着こなし、ロングユースできる持続可能な服作りを心掛けています。素材のクオリティーには妥協しません。コットンもシルクも心地よい肌触りを気遣い、その上で新しい意匠性を考えて生地作りしています。ディテールには、繊細な刺繍やスモッキングなどの職人技を取り入れますが、洋服の作りはシンプル。軽やかな着心地、イージーにドレスアップできるバランスです。
9年前にテキスタイルの工場を家族経営していた父が亡くなって、会社の運営に専念しなければならず、ブランドのセールス活動を抑えていました。ようやく日本のビジネスを再開できてとてもうれしい。日本の女性は、私たちの洋服にとても近い感性を持っているんです。代理店を介さず、直接の取引です。お客さんの声を聞いて、少しずつ成長させたい。