ベルリンとフランクフルトで分裂するドイツのファッションウィーク(宮沢香奈)

2022/07/25 06:00 更新


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 7月7日から9日の三日間に渡り、ドイツ最大規模を誇るPREMIUMグループによるトレードショーが開催された。これまで、1月と7月の年2回「Berlin Fashion Week」とほぼ同時期に開催されてきたが、2020年よりファッションウィークの開催地がベルリンからフランクフルトへ移転することが発表され、PREMIUMグループもフランクフルトでの開催へと踏み切った。

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 これには、長年のスポンサーであったメルセデスベンツも驚愕しているという記事をドイツの主要メディア”Der Tagesspiegel”で目にした。しかし、移転を決めた直後にコロナウイルスのパンデミックとなり、オンライン開催を余儀なくされたり、その後も良い結果にはならなかったのだろうか?結局ベルリンに戻ってくることになった。しかし、メルセデスが主催する9月の「Berlin Fashion Week」ではなく、PREMIUM、SEEK、The Groundはベルリン市の協力を得て、これまで通り7月に独自開催する運びとなった。


 この時点で頭が混乱してしまうのは筆者だけだろうか?なぜなら、6月には「Frankfurt Fahion Week」、7月にはPREMIUMグループによるトレードショー、9月には「Berlin Fashion Week」がそれぞれ別々に開催されるのだ。いろんな政治的背景を疑ってしまうが、果たして分裂したことで良い結果が得れるのだろうか?

一番人集りができていたフードトラックやパフォーマンスが行われていた外エリア

 残念ながら来場者が多いとは言えない会場を見渡しながら寂しい気持ちになった。更に、以前のようにプレスパスの提供がなかったため、各ブースを訪れる度に自分たちはバイヤーや代理店ではなく、ジャーナリストであることを伝えないといけなかった。そのため、ブランドによってはかなり素っ気ない態度を取ってくるところもあり、申し訳ない気持ちと共に余計に気分が滅入った。

 しかし、広大な敷地面積を誇る”メッセ・ベルリン”を会場に贅沢に開催していた点においてはやはりドイツ最大級のトレードショーであり、歴史と実力を持っている証拠なのだろう。ご存知の通り、ベルリンはファッションシティーではない。それでもPREMIUMグループのように長年開催されている老舗のトレードショーがあり、他国のファッションウィークにおいてもメインスポンサーとなっているドイツの国産車メーカー・メルセデスがここでも貢献しているのだ。

 以下は、PREMIUMとSEEKで気になったブランドを写真とともに紹介していきたいと思う。



 ポルトガル発「ZOURI」日本の草履をそのままブランドネームにしたエコヴィーガンシューズ。天然ゴムやオーガニックコットンを使用し、海洋プラスチックをリサイクルしたソールが特徴。


 ビビッドな発色とルーズでありながらフェミニンなシルエットが好みだったアムステルダム発「Rino & Pelle」。



 ピンクで統一されたガーリーなブースが目立っていたミュンヘン発「oui」元からカラフルなアイテムが特徴のブランドだが、最新コレクションは淡いピンクからショッキングピンク、ビビッドなオレンジのアイテムが多数。


 人気ブースは中国発の「JNBY」。独創的なカッティングやディテールへの拘り、ミリタリーとモードをミックスさせたようなマニッシュなデザインが素晴らしかった。


 エキゾチックなプリントとカラーが印象的だったイタリア発「ViCOLO」。

 ファッションウィークとは特に関係ないが、032cを筆頭にインディペンデントなブランドが勢いを増し、ファッションジャーナリストでコンサルタントのBrendaや以前GINZAで取材させてもらったNella Beljanが手掛けるPOP UPストアに注目が殺到している。コロナ禍で沈んだように見えるベルリンのファッションシーンだが、独創的なアイデアとセンスで新たなシーンを築いているクリエイターたちの動向に注目しつつ、引き続き、ファッションウィークに関しても暖かく見守っていきたいと思う。


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長野県生まれ。文化服装学院ファッションビジネス科卒業。

セレクトショップのプレス、ブランドディレクターなどを経たのち、フリーランスとしてPR事業をスタートさせる。ファッションと音楽の二本を柱に独自のスタイルで実績を積みながら、ライターとしても執筆活動を開始する。ヨーロッパのフェスやローカルカルチャーの取材を行うなど海外へと活動の幅を広げ、2014年には東京からベルリンへと拠点を移す。現在、多くの媒体にて連載を持ち、ベルリンをはじめとするヨーロッパ各地の現地情報を伝えている。主な媒体に、Qetic、VOGUE、men’sFUDGE、繊研新聞、WWD Beautyなどがある。

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