"ANDREAS MURKUDIS"を知ってるか?(宮沢香奈)

2018/03/22 11:30 更新


Medium andreas murkudis 81 small

日本でも感度の高いファッション関係者から支持されているベルリン随一のセレクトショップ「ANDREAS MURKUDIS 81(アンドレアス・ムルクディス)」を紹介したい。

少し前のことになるが、メンズ誌の取材で訪れた際にオーナーでありバイイングも全てこなすアンドレアス・ムルクディス氏本人から貴重な話をたくさん聞かせてもらい、ファストファッションと破格に安いヴィンテージやセカンドハンドに囲まれたベルリンで時々忘れそうになってる”ハイファッション”を思い起こした。

メインフロアー Photo by : Thomas Meyer

プロダクトフロアー Photo by : Thomas Meyer

インテリア専門のセレクト Photo by : Thomas Meyer

5分で決めたという新聞の印刷工場跡地を改装した店舗は1000平方メートルという圧巻の広さ。

その広々とした開放的な空間には、ドリス・ヴァン・ノッテン、クロエ、マルニ、ジル・サンダー、メゾン・マルジェラを始めとする一流ブランドが並び、隣のフロアーにはMYKITAやヘッドポーターの別注ライン、化粧品、キャンドルなどといったプロダクトメインのスペースを併設している。

さらに同じ通り沿いには2015年にオープンしたインテリア専門の「ANDREAS MURKUDIS 77」と道を挟んだ斜め向かい側にはエキシビジョンなどを行うためのイベントスペースも構えている。

300以上ある取り扱いブランドの中でも特に上質で上品なものだけがセレクトされており、その辺のミュージアムよりも美しく、かっこよく陳列された空間にいると自分自身もエレガントな気持ちになれる。

”一生着れて、一生持てるもの”そんなキャッチコピーが頭に浮かんだが、実際各ブランドがシーズンごとに打ち出すアイコニックなものより、シンプルでずっと着れる”定番”アイテムを多く取り揃えており、ムルクディス氏が商品の説明をする際にはデザインより素材の素晴らしさについて話すことが多く、一押しのハンドメイドのカシミアブランド”Neri FIRENZE”やパリのバッグブランド”ISAAC REINA”の究極に滑らかで柔らかいレザーなど、見て触れれば納得の最高品質なのだ。

レジ前には”ISAAC REINA”のレザーコレクションがずらり

生産数が限られている”Neri FIRENZE”のカシミアコート

取材時に嬉しかったのは日本のブランドやプロダクトに対してとてもリスペクトがある点である。

ヨージ・ヤマモト、Kolor、イッセイ・ミヤケをはじめ、以前こちらでも紹介させてもらったPas De Calais(パドカレ)やジュエリーブランドのRICO by Mizuki Shinkai、家具のkarimokuや老舗食器メーカーNikkoとのコラボレーション陶器などベルリンでは他に取り扱いのない希少なブランドを多数取り扱っており、ユーロに換算しても全く高くないハイクオリティーのものばかりだと称賛している。

ムルクディス氏は年に二回は日本へ訪れて良いブランドやプロダクトを探しており、京都の染物や日本の伝統技術にも非常に興味があるとのこと。

自ら商品説明をしてくれるアンドレアス・ムルクディス氏
ブランドを選ぶ時はワンシーズンで終わってしまわないように慎重に選ぶようにしているよ。デザイナーとは良い信頼関係を結べて長い付き合いが出来ることが大切だと思っているし、顧客が喜んでくれる物や場所を提供することが何より大切だと思っている。ベルリンは東京やパリのようにブランドや店舗が多いわけではない、でもだからこそ埋もれずに大切にすることが出来る。ミッテに店を構えていた時はメンズ、レディース、デニム、プロダクトなどカテゴリー別に6つに分けていたけれど、今は一つのフロアーで全てを見せることが出来て、お客さんに楽しんでもらえる理想の空間を作ることが出来たからとても満足しているよ。ミッテはもう若者向けのコマーシャルでカジュアルなエリアになってしまったからね。今後は近隣の開発状況も含めてこの辺りが新たなファッションスポットになるだろうね

ベルリンで長年に渡りファッションの第一線に身を置いてきたムルクディス氏だからこそ持てる先見の明なのだと思った。

今でこそ並びにACNE STUDIOSの路面店や同敷地内にODEEHの路面店、近隣にスタイリッシュなカフェやレストランがあるが「ANDREAS MURKUDIS 81」が出来たばかりの2011年当時は何もなかったという。高級レストランやポール・スミスの路面店が出来る予定とのことで、開発が止まらない西エリアの新たなトレンド発信地として注目される日も近いだろう。

店頭では不定期で取り扱いブランドのローンチイベントやPOP UPなどが開催されており、最近では話題のブランドOAMCのイベントが行われたばかり。ベルリンへ訪れた際は是非立ち寄って欲しい名店である。

Photo by : Thomas Meyer


宮沢香奈 セレクトショップのプレス、ブランドのディレクションなどの経験を経て、04年よりインディペンデントなPR事業をスタートさせる。 国内外のブランドプレスとクラブイベントや大型フェス、レーベルなどの音楽PR二本を軸にフリーランスとして奮闘中。 また、フリーライターとして、ファッションや音楽、アートなどカルチャーをメインとした執筆活動を行っている。 カルチャーwebマガジンQeticにて連載コラムを執筆するほか、取材や撮影時のインタビュアー、コーディネーターも担う。 近年では、ベルリンのローカル情報やアムステルダム最大級のダンスミュージックフェスADE2013の現地取材を行うなど、海外へと活動の場を広げている。12年に初めて行ったベルリンに運命的なものを感じ、14 年6月より移住。

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