ベルリンのクラブファッション(宮沢香奈)

2015/02/15 11:59 更新


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先日、久しぶりにクラブへ遊びに行こうと電車に乗った時のことである。一際目を引くオシャレなカップルに遭遇した。おそらくイタリア人であろう。

男性の方は、若干大きめのヴィンテージムートン、アンクル丈の細身のBLKパンツに白いソックス、BLKエナメルのプラットフォームローファー、女性の方は、同じくオーバーサイズのヴィンテージムートン、BLKスキニー、BLKブーティー、ハット、大きなスタッズの沢山付いたREDレザーのポーチ。マドンナの様なキリっとしたメイクに真っ赤な口紅がとても似合う美人。

 一目で、”ベルグハインに行くのだな”だと分かった。案の定、降りた駅も、並ぶ時も、クロークまで一緒になった。

金、土の深夜から朝にかけて、Ostbahnhofを通るSバーンに乗っている人の中で、ベルグハインに行く人は必ず分かるのだ。ビール瓶を片手に陽気な団体はまず違う。バティックやフォークロアテイストの柄物、色物を取り入れた全身ヴィンテージファッションの女のコグループも違う。

ファッションは、とにかく”黒”、パーティーに遊びに行くというのに、ちょっと一杯どこかで飲んで来たというテンションは全くない。真夜中なのに、ついさっき起きて、これから出勤するのかと思うほど抜かりないメイクに、クールな佇まい。そういったファッションだけでなく”出立ち”でも大抵分かる。 

 


独特のオーラを放っている人たちが足早に向かうBerghain/PanoramaBarとは、毎週末、世界各国から訪れる人が絶えないベルリン有数のクラブ。そのクオリティー、サウンド、アーティストなど様々な点において世界最高峰と呼び名の高いクラブである。人気パーティーの時は最長5時間並ぶこともあり、その行列はもはやベルリン名物となっている。

そして、その行列の先に待っているのは、世界一厳しい”ドアポリシー”である。パウンサーと呼ばれる厳つい顔した門番がエントランス前に憚り、全身を舐め回すように見て、GoかOutサインを指一本で示す。このクラブに相応しいかどうか品定めされるのだ。

アウトを出されたら絶対に中には入れてもらえない。奈落の底に突き落とされて帰るだけである。ひどい時には半数以上帰らされたり、200人以上並んでいるのにドアクローズすることさえある。

泥酔している、いかにもツーリスト、団体、幼い、格好がイモっぽい、派手過ぎる、踊り目的に来ていない、挙動不審で怪しい、ミーハーなど、いろんな理由がウワサされているが、真相は誰にも分からない。取材も一切受付けない。

そんな世界一厳しい”ドアポリシー”をクリアーするために、みんな気合いを入れるのだ。気合いを入れ過ぎても良くいので、何が正しいのかさっぱり分からない。

最近ではいろんな人から何を着て行ったら良いのかと相談されることも多く、個人的にも興味があったので、ベルリンのクラブファッションを勝手に研究してみた。その結果を参考写真をもに紹介したい(*他でも度々伝えているが、クラブ内は基本撮影禁止のため、写真はあくまでも参考である)。

 

 


こちらは、以前にここでも紹介したKUBORAUMのショップで行われたパーティーの時のスナップ。9割が真っ黒コーディネート。音楽を背景に持つブランドのパーティーはクラブの中を見ている様なファッションを見ることが出来る。BLKスキニー、レザーレギンスはマストアイテムの1つ。



 

ベルリン在住のファッションブロガーを参考に(写真下)。ちょっと洗練されているが、こういったパンクスをミニマルに落とし込んだスタイルの女性は本当に多い。シューズをコンバースのハイカット(もちろんカラーはBLK)か、マーチンに履き替えればあっという間にクラブファッションになる。

 

 

 

アウターは、N3Bやモッズコートなどのアーミー系、ムートン、レザーが多く、オーバーサイジングで着る。ダウンの場合は、芋虫タイプではなく、モードに見える細身で丈の長めのタイプが多い。ボトムはとにかくレギンスかスーパースキニーのフルレングス。

 

 

 

帽子はキャップよりハット、ニット帽もいるがアジア人は幼く見えがちなので被らない方が良い。女性のお団子ヘアーもあまりおすすめしない。メイクはナチュラルメイクより美容部員メイクぐらい濃く。

 以上、何の保証もない、自分勝手な見解である。

ただ、ベルリンに限らずヨーロッパのパーティーピープルのレベルは本当に高い。一流クラブ、フェスになればなるほどそれを感じる。

だから、適当な格好や適当なメイクで行ってしまうととても後悔する。スタイルも顔もモデル級の美女に対抗するなど無意味だけど、自分を磨く努力は誰にだって出来る。そういった意識を持っているアジア人が少な過ぎる気がして、このレポートを書いた。自分への戒めでもあるけれど。




宮沢香奈 セレクトショップのプレス、ブランドのディレクションなどの経験を経て、04年よりインディペンデントなPR事業をスタートさせる。 国内外のブランドプレスとクラブイベントや大型フェス、レーベルなどの音楽PR二本を軸にフリーランスとして奮闘中。 また、フリーライターとして、ファッションや音楽、アートなどカルチャーをメインとした執筆活動を行っている。 カルチャーwebマガジンQeticにて連載コラムを執筆するほか、取材や撮影時のインタビュアー、コーディネーターも担う。 近年では、ベルリンのローカル情報やアムステルダム最大級のダンスミュージックフェスADE2013の現地取材を行うなど、海外へと活動の場を広げている。12年に初めて行ったベルリンに運命的なものを感じ、14 年6月より移住。

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