シニア向け「カインドケア」 ライフスタイル型へ刷新

2018/10/05 06:26 更新


 カインドウェアのヘルス&ケア事業部は百貨店を主力に販売するシニア向けブランド「カインドケア」を昨年刷新し、今年にかけて移転や改装した店舗では大きく売り上げを伸ばす売り場も出ている。

 カインドケアは、〝これからのシニア世代〟に向けたライフスタイルブランドとしてイメージを新たにした。メンズ、レディスのウェアから、ステッキ、カート、介護関連商品などオリジナルと仕入れの幅広いアイテムを扱う。

 ウェアのコンセプトは「いつも側(そば)にある優しいベーシック」とし、肌触りの良い素材を使った外出着やリラクシングウェアを揃える。シニアに必要な機能性を入れながら、トレンドも取り入れて若々しさを出した。ステッキやシルバーカー、カートもデザインや機能に改良を加えている。今年5月にはECサイトも刷新した。

 上層階に置かれることが多い介護用品売り場だが、トキハ別府店は昨年、1階に売り場を移した。カートやステッキなど歩行関連に特化した品揃えにし、イベントなどもからめて発信を強めたところ、売り上げは3倍増のペース。ふり客の目にも留まりやすい場所へ移すことで、潜在需要の掘り起こしにつながったと見る。東急百貨店吉祥寺店は同フロア内で移転し、2ケタ増収ペースという。

 9月13日に改装した京王百貨店新宿店の介護用品売り場「ハートフルプラザ」では、カインドケアのコーナーを大幅に拡大した。ブランド全体のイメージを発信できる売り場として期待する。京王百貨店では「介護する人・される人だけでなく、元気なシニア向けなど、視点を変えることで潜在的な需要が大きな市場」とみて、補聴器や靴、ベッドなどを拡充または新規導入した。車椅子でも通りやすい広い通路を確保し、専門知識を持つ販売員も増やした。

 カインドウェアでは他の売り場でもコーナー化やインショップ化を進めたいとしている。

京王百貨店新宿店のカインドケアのコーナー


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