「コッキ」は2月12日、都内で25年秋冬のショーを行った。ビルの上階の会場には、どっさりと落ち葉が敷き詰められ、天然の甘い香りも漂う。コッキらしい優しさのあるクラフトワークに、ファンタジーやフェミニンの要素を織り交ぜ、力強いコレクションを見せた。
紡毛のクラシカルなジャケットに、コットンレースをふんわりとレイヤード。ネル生地とコットンレースを入り組んだようにつないだシャツにレザーのハーフパンツ。ビンテージな質感、男性的な強さのあるワードローブに、軽やかで清潔感のあるレースを差し込み、日常から離れずにロマンティックな表情をのぞかせた。色褪せたプリントTシャツには、生命力のある花のケミカルレースがはうように重なる。身近さとともに、繊細でクチュール感覚の備わったセンスが目を引く。
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レザーのフライトジャケットに洗いざらしたワークジャケットの袖を付けたり、フェイド感のあるカバーオールにピンストライプの袖を付けたりと、加工を重ねたクオリティーも一段とブラッシュアップした。
(須田渉美、写真=加茂ヒロユキ)