【パリ=松井孝予通信員】新型コロナウイルス感染で10月4日に他界した高田賢三さんの葬儀が、パリのペール・ラシェーズ墓地でしめやかに執り行われた。近親者らが参列した。
【関連記事】高田賢三さん死去 悲しみに沈むパリ
葬儀までの3日間、賢三さんが眠る霊安室には、モード界だけでなく、多くのパリジャンが冥福を祈りに訪れた。爽やかな笑顔の遺影は、故人が好きだったたくさんの花で飾られた。カラフルでフローラル、そして幸福感いっぱいのモードで、このパリに輝きを与えてくれた日本人デザイナー。「メルシー、ケンゾー」。賢三さんはパリジャンみんなから愛されていた。
ル・モンド紙は全面を使い、「日本人デザイナーの中で最もパリジャン」の見出しで賢三さんへオマージュを捧げた。同紙が追悼に1ページを割くことはまれ。64年に渡仏後、パリモードにレボリューションを起こし、大きな影響を与えてきた賢三さんの功績を称えた。マクロン仏大統領夫妻は、「私たちのシルエットに色と自由を与える術を知っていた、このクリエイターに敬意を表す」と大統領府のホームページに弔辞を掲載した。