「ケイタマルヤマ」の丸山敬太が、久々に東京でファッションショーを開催した。通常のショーとはひと味違う、日本の伝統文化を組み合わせた1時間のエンターテインメント。クラウドファンディングで支援を募った企画で、招待客含め600人以上の観客を沸かせた。なぜ今、こういったショーを企画したのか聞いた。
(青木規子)
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次世代につなぐ役目
近々ショーをやりたいなと思っていたとき、(髙田)賢三さんや(山本)寛斎さんがいなくなっちゃった。80年代には「寛斎元気主義」とかを客として見に行ってて。影響をいっぱい受けた。あの2人のショーが自分の人生を変えてくれたし、デザイナーを志すきっかけになりました。
ほかにも、蜷川幸雄さんや唐十郎さんといった先輩たちから浴びせてもらったクリエイションやいろんなカルチャーを、リアルを知らない次の世代につないでいくことはすごく重要だし、役目だなって。いい年こいてやっと大人になったのかなって自分で思っています。
応援してもらう喜び
誰かを支援する、誰かとつながることって今の時代のテーマだと思っているんです。いろんな人とシェアしながら、手と手をつないで作ることを僕はハッピーに表現できるなと。だからクラウドファンディングという手法を選びました。もちろん、皆さんご存じの通り、ショーはお金もかかるので。
反響も大きく、たくさんの方に応援していただきました。応援してもらうことって今まではちょっと照れくさかったけれど、こんなにうれしいことなんだと改めて知りました。
厳しかったこの2年を経た、21年のうちにショーをやりたかったので、年の瀬になってしまったけど、形にできてよかった。
ファッションの熱を
ショーでは、日本の四季を追いかけ続けてきたブランドらしく、春夏秋冬を通して表現しました。今年をきちっと表現したいという気持ちがありました。
90年代の気分がよみがえってきた人もいますよね。僕らがファッションを本当に元気良くやっていた90年代って、ハッピーなオーラとか音楽とかカルチャーとかいろんなものを、ファッションがつないでいた。今回はそのムードを表現したかったんです。
特に若いモデルたちは今、みんな90年代が大好きだし、その熱みたいなものを伝えられたのなら、うれしいなって思います。