オンワードグループの縫製工場「カシヤマ・サガ」 高付加価値品に対応

2019/11/01 06:28 更新


 オンワードホールディングス(HD)のグループ子会社である縫製工場「カシヤマ・サガ」(佐賀県武雄市)は、国産による匠(たくみ)の技術力と、最新のデジタルテクノロジーを融合した新工場を開設し、10月31日に開業式を行った。同工場は、レディス向けの高付加価値品を対象とした国内生産拠点として、国内市場に向けた多品種小ロット、QR対応を行うとともに、同工場を基点とした輸出も行う構えだ。

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 「当社の創業者が設立した大阪・都島工場を四半世紀前に閉鎖して以来、国内における100%資本の工場の活用は久しぶり。デジタル技術を駆使したメイド・イン・ジャパンの物作りを世界市場に発信する」(保元道宣オンワードHD社長)としている。20年秋冬シーズンからは、マスカスタマイゼーションに対応する「カシヤマ・ザ・スマートテーラー」のハイクラスゾーンのレディス向け生産も開始し、米国、中国に販売する予定だ。

 カシヤマ・サガの新工場は延べ床面積4178平方メートルで旧工場の生産設備を移管し、デジタル機器や新システムを導入して生産ラインを再編した。ミシンごとの稼働データを蓄積して生産ラインのロスポイントを検知し、スムーズなラインへの組み換えを行う。カシヤマ・サガと東京のオンワード樫山生産本部をデジタルシステムで直結し、リアルタイムで生産情報を共有し、生産の最適化や効率化を図る。

 同工場の生産能力は年間約10万着。生産アイテムは重衣料を中心としたジャケット、コート、ワンピースなど。カスタムメイドにも対応する。新工場への総投資額は10億5000万円。8月末に完成し、9月から順次稼働している。従業員数は現在139人。

 オンワード樫山は、純正国産表示制度「J∞QUALITY(Jクオリティー)認証事業」の認証取得企業であるゼネラルクロージングの株式を18年3月に100%取得。19年4月にカシヤマ・サガに社名変更した。



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