カラバのアイウェアブランド「ノチノオプティカル」 南青山に初の直営店をオープン

2023/08/02 06:27 更新


骨董通りから一本入った路地裏に位置する。知る人ぞ知る、隠れ家のような雰囲気が漂う

 カラバ(東京、今野直隆社長)が運営するアイウェアブランド「ノチノオプティカル」は7月22日、初の直営店を東京・南青山にオープンした。

 21年夏にデビューして以来、ユナイテッドアローズやニューヨーク発スニーカーショップ「KITH TOKYO」など有力店での卸販売と、期間限定店でファンを広げている。アイコンは調光レンズのサングラス。直営店でフルラインナップを扱うほか、度付きレンズへの換装も行う。

 プロデューサーは、長年ストリートウェアを手掛けてきた今野社長。社員は今野社長一人で、ブランドの命名からパッケージデザイン、セールスまで、世界中の信頼のおけるアーティストやクリエイターに外注する形で運営している。生産拠点は福井県鯖江市。高品質で「5年後も10年後も使い続けられる」ベーシックなデザインが魅力だ。「期間限定店などの対面販売が好評」で、南青山本店を皮切りに国内外で出店を進める。

 内装は、グラフィックアーティストのYOSHIROTTEN(ヨシロットン)氏が代表を務めるクリエイティブスタジオ「YAR」がディレクション。建築家の橋村雄一氏が設計した。ブランドコンセプトの「十三夜の月を愛(め)でる」に着想し、縁側に座って月を眺める庭の景色をイメージしている。楕円(だえん)形のソファーは石、円形のミラーは月を見立てて設置した。

「縁側に座って月を眺める庭の景色」をイメージした内装。自然光に近いライティングで店内を照らす。ソファーは石、ミラーは月を見立てた

 コンセプトストアとして、全モデル、カラーをフルラインナップで揃える。基本形はサングラスのブロー、ボストン、ラウンド、ウェリントン(2サイズ展開)の5タイプのみ。紫外線に当たるとレンズカラーの濃淡が変わる調光レンズ搭載のモデルがイチ押しだ。一部、店舗限定カラーもある。ベーシックなデザインに特化しており、トレンドのものは扱わない。

ブランド名を冠したシグネチャーモデル。調光レンズは紫外線を浴びるとスモーキーなピンクからダークグレーに変わる

 メガネレンズのリーディングカンパニーであるHOYAと提携し、これまで難しかった度付きレンズへの換装も受け付ける。

 アイウェアのほか、東京・渋谷のスタジオでエッセンシャルオイルを自家精製する「エポエッセンシャルオイルファクトリー」に別注した、オリジナルのディフューザーとフレグランスミストも販売する。同社のディレクターが鯖江の工場へ行き、職人がフレームを削っている際の「甘酸っぱい香り」をベースに作った。香りにまつわるアイテムの拡充に加え、日本らしい素材や作家の作品の取り扱いも視野に入れる。

 まずは認知度を高め、「口コミで人気の店になりたい」と今野社長。コロナ禍が落ち着き、サングラスを楽しむ人が増えているなかで、「調光レンズのサングラスを調べてたどり着いた」「色のセンスが良い」と感度の高い客が増えているという。世代や性別を問わず使いやすいベーシックなデザインと、日本らしい美学が詰まった店を強みに、国内外への発信を強化していく。

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