星健介氏が手掛ける「リバーバレイト」 海外卸先開拓を継続

2026/05/20 11:00 更新NEW!


スーツとモッズコートの組み合わせ

 オランダに移住したデザイナーの星健介氏が手掛けるメンズブランド「リバーバレイト」は、フランス・パリでの展示会を軸に海外卸先の開拓を継続している。海外出展のサイクルに合わせるため、国内展示会(26年秋冬物)を従来よりも2カ月早めた。国内は卸先(45店前後)が広がるとともに1店当たりの発注量も増え、売り上げを順調に伸ばしている。

(大竹清臣)

オランダに移住

 同ブランドは10年に渡英した星氏が現地のブランドのアシスタントデザイナーを経て、13年に立ち上げた。テーラーリングをベースにワークのディテールもミックスするメンズウェア。自身でデザインからパターン作成、縫製までこなせる。日本では14年秋冬物から販売をスタートした。23年からオランダ・アムステルダムに移住し、グローバルマーケットに向けたブランド運営を続ける。生地や縫製など生産拠点は変わらず日本。

 25年1月はパリのショールーム内での展示会に出展、同年6月にはアムステルダムのシューズブランドと合同展を開いた。今年1月は単独展を開いた。会場内で小さなショーを実施し、その動画をインスタグラムに上げたことで海外のフォロワーが増えた。欧州での卸先はまだ開拓できていないが、アジアではショップとのつながりができ、韓国や台湾、香港など卸先が5店まで広がった。「海外バイヤーからの日本の生地や縫製への評価は高く、強みの一つにはなる」とみている。26年春夏物ではブリーチ調のグラデーションを織り柄で表現したオリジナルデニムを使ったアイテムが好評だった。

テーラード回帰

 26年春夏物は、これまでの集大成的なコレクションで、古着店時代からロンドンでの修業、日本の自前アトリエなど自身の人生経験を盛り込んだ内容となった。ミリタリーやアメカジ、パンク、テーラード、アート、クリーンなリラックススタイルなどを揃えた。その流れは26年秋冬物も継続している。ただ、数シーズン前までのルックブックを見ると、30歳前後をターゲットにした服のイメージだったので、星氏自身が40代前半となり、「成熟して落ち着いた大人の服を作りたい」との思いから、テーラードに回帰し、色も黒、グレー、ネイビーに絞った。

 構築的で逆三角形の立体的なフォルムのドレスアップしたスーツは着丈を長めにした現代的なクラシックスタイルにした。縫製はスーツ、ジャケット専門のサンヨーソーイング福島ファクトリーに依頼した。自身で型紙を作成したシルエットが美しいテーラードジャケットは「過去一番の出来」だという。ストライプのシャツとジョドパーズ風スウェットパンツと合わせるとパンクっぽいスタイリングになる。

タキシード用の生地を使ったテーラードジャケット

 また、パターン設計に工夫したひょうたん型のフルジップボアベストやタキシード用の生地を使いドレッシーに仕上げた中わた入りのモッズコートもある。そのほか、アメカジ古着をイメージしたオリジナルのオンブレチェックシャツやジャカード織りでペンキの汚れを表現したデニムの上下、グレーの生地に白のフロッキー加工をした、経年変化が楽しめるコーデュロイの上下も提案する。ボアを使ったオーバーサイズのライダーズジャケットやレザーのフライトジャケットなどと組み合わせれば様々なミックススタイルが自然に完成する。

オーバーサイズのボアのライダーズジャケット

 今年6月末もパリで単独展示会を開催する予定。その後、日本で展示会を開く前に、地元アムステルダムの有力セレクトショップでの受注会開催を計画するなど知名度向上に尽力する。



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