ジーンズ離れと言われて約10年。21年ごろからデニムがトレンドに再浮上し、再びジーンズが注目され始めた。高品質な国産ジーンズの〝語れる〟要素がSNSやユーチューブで発信されたことで、高価格帯ジーンズに引かれる若者も増えている。インバウンド(訪日外国人)の国産ジーンズ需要も高まっており、海外への拡販も期待できる。重要になってくるのは、新たな顧客を飽きさせない企画と、疲弊した産地を守る仕組みだ。
こだわりを発信
近年、ジーンズ業界は苦境に立たされてきた。00年代後半ごろのロープライスジーンズブームで価格競争が激化し、老舗のジーンズNBは大打撃を受けた。10年代中ごろからはアスレジャーなどの流行でテック系アイテムが市場に浸透。消費者の選択肢が広がり、ジーンズ離れは加速した。
しかし、21年ごろからはデニムがトレンドに再浮上し始めた。繊研新聞社が有力小売店を対象に、21~22年秋冬の立ち上がり状況を聞いた「トレンドチェック・立ち上がり」のアンケートでも、素材の項目ではデニム、ボトムの項目ではデニムパンツがそれぞれ1位になった。
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