中国EC大手の京東集団 越境ECで日本商品を強化

2018/09/04 15:36 更新


 中国でEC売上高2位の「JDドットコム」を運営する京東集団(JD)は、越境ECプラットフォーム「JDワールドワイド」で日本の商品の品揃えを強化する。

【関連記事】中国・京東集団の無人スーパー ジャカルタに出店

 3日、都内で事業者向けの大規模な説明会を開き、日本企業の担当者約500人を前にアピールした。同説明会では、日本企業の商品を買い付ける「JD日本購買センター」の設立や、三越伊勢丹がJDワールドワイドに出店したことも発表した。

■ファッションは成長率1位

 説明会には、越境ECや物流、ファッションなど同社の各セクションのトップが来日した。高級副総裁の王笑松氏は「JDワールドワイドの売上高の約2割が日本の商品のため、最も重視している」と語った。

 また越境EC総責任者の楊葉氏は「越境ECで世界ナンバーワンを目指す」とし、日本にある物流倉庫の機能などを説明した。「日本の商品で売り上げ規模が大きいのはコスメと食品」とし、日本産の原料にこだわったオーガニックコスメ「スリー」が安心して使えるものとして越境ECでヒットしている成功事例も紹介した。

 ファッションについても重要視する考えが示された。ファッション部門を統括する丁霞副総裁は「ファッションカテゴリーの売上高はコスメなどに比べると低いが、成長率は最も大きい」とし、日本ブランドへの期待を語った。同社の顧客層は「高学歴で年収が高く、客単価は業界平均の1.3~1.4倍。市場を開拓するのに適している」。

 また直近の購買動向については「今までは誰でも知っているようなメガブランドが好まれていたが、個性派のデザイナーブランドも人気。情報感度が高く、日本で流行している商品にも敏感に反応する」という。

■日本の体制を強化

 「JD日本購買センター」を3日に設立した。同社は17年8月に日本法人のJDドットコム京東日本を立ち上げていたが、3人体制のため、商品の調達効率や北京本社とのコミュニケーション効率で課題を抱えていた。そのため、増員・体制強化によってこれらを解消するのが狙い。

 商品の買い付けのほか、日本の商習慣に合わせたサポート体制の構築や業務フローの最適化を担う。日本の物流会社との提携や、新たな投資なども見据える。「まずは越境ECでの日本の商品の売上高を1年間で倍増させたい」(荒井伸二日本業務最高責任者)とした。

 三越伊勢丹は3日にJDワールドワイドに旗艦店を出店。王笑松京東集団高級副総裁と竹内徹三越伊勢丹取締役専務執行役員百貨店事業本部長が調印式を行った。化粧品などを中心に販売するという。

三越伊勢丹は3日にJDワールドワイドに旗艦店を出店した


この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事