日本アパレル・ファッション産業協会(JAFIC)の「J∞QUALITY(Jクオリティー)・ファクトリーブランド・プロジェクト」は6月の伊メンズ見本市ピッティ・イマージネ・ウオモに有志で出展、複数の受注を得るなど成果を上げた。参加したのは、サンライン、サンテイ、丸和ニット、宮田毛織工業の4社。
【関連記事】ピッティ・ウオモ アジアからの来場戻る 総数は1万7000人
初出展した1月展には同プロジェクトに参加した11社が中小企業庁の「ジャパンブランド育成事業補助金」を活用したが、今回の有志4社は自費。そのほか、ユナイテッドアローズの上級顧問の栗野宏文氏の新ブランド「AMC」もJクオリティー認証の工場を使っているため共同で提案した。前回は商品への評価は高かったものの、具体的な受注が得られず、「継続出展することで、海外バイヤーからの信頼性を高めて取引につなげたい」との思いが強かった。
ピッティ・ウオモではイタリアのクラシックで本格的な物作りが重要と考え、プロジェクトのデザインディレクターを小山雅人氏(「ユーゲン」デザイナー)に変更した。提案した商品は小山氏のデザインラインに一部各社独自の商品も加えて構成した。前回と同じく、イタリアとの橋渡し役として日本の物作りをサポートした栗野氏の力も大きかった。これらの対応が実り、いくつかのセレクトショップから受注を得て、十数店には発注用ラインシートを送付し今後の商売につなげる。
具体的には、セレクトショップがドイツからサンテイ5点、英国から11点(サンテイ5点、丸和ニット2点、サンライン2点、宮田毛織2点)、イタリアから4点などを受注した。ラインシートの依頼は、イタリア、ドイツ、デンマーク、スウェーデン、韓国などから各社ともあった。特にサンテイの圧着無縫製商品は技術レベルが高く人気だった。デンマーク・コペンハーゲンの会社からエージェント希望があったほか、イタリア・ビエラの有名メーカー2社からミラノウニカへの出展サンプルを依頼された。パリ在住インスタグラマーやプレス関係者からのサンプル貸出依頼もあった。デンマークのセレクトショップからは丸和ニットの「バランサーキュラー」生地の仕入れ希望があった。
来年1月展にも出展を希望している。受注精度を高めるため、ピッティ・ウオモ後にミラノのショールームと契約し商談の場の設置も検討している。