《注目のEC》イトキン、公式アプリをリニューアル オムニチャネル化加速へ

2025/12/05 06:29 更新NEW!


店頭スタッフが客に案内しやすいUIを意識

 イトキンはOMO(オンラインとオフラインの融合)推進に向けた基盤整備を着実に進めている。10月には、購買行動のハブとして位置付ける公式アプリをリニューアルし、日常的に使いやすい環境を整えた。アプリ経由の売り上げを高め、EC全体の底上げにつなげる。

 同社は21年に会員アプリを導入し、ブランドごとに分かれていた会員基盤の統合を進めてきた。現在は統合IDを保有する顧客割合を7割まで引き上げた。

構造上の課題を解決

 一方で従来のアプリは、ブランドページにたどり着きにくく、必要な情報を見つけづらい点が課題だった。アプリ内で配信されるニュースなどの通知も届きにくく、店頭でスタッフが使い方を案内する際にも操作説明が複雑になるなど、現場での負担も生じていた。

 こうした課題を踏まえリニューアルに踏み切った。トップ画面にはブランド一覧を配置。ユーザーが目的のブランドに迷わず進める構造にした。通知にも気づきやすくなり、コンテンツへの接触機会を取りこぼしにくくした。

現場スタッフにも好反応

 継続利用に向けた仕掛けとして、毎日更新の占いコンテンツも導入。クーポン頼みではなく、自然にアプリを開く動機作りにも取り組んだ。

 小川尚子執行役員オムニ推進室室長は「リニューアル以降、店頭スタッフから使い方に関する質問はほとんどなく、現場での浸透を実感している」と話す。休眠顧客の掘り起こしや新規会員の取り込みにつながる土台が整ってきた。

 同社はOMO施策として在庫情報の統合も進めている。現状は店舗在庫のみが対象の試着予約サービスを、今後は倉庫在庫とも連動させる予定。アプリを起点にオムニチャネル化の推進を加速させる。

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