伊藤忠商事の「フィラ」事業が好調を続けている。事業規模は毎年、過去最高を更新し、17年(1~12月)も3%増で235億円(小売りベース)に達した。カジュアルウェアの若年層での人気が持続、昨年からスタートした丸紅フットウェアのシューズも順調なスタートを切った。3年後300億円の目標に向け、今年はブランド価値の向上など「売り上げ増よりも中身の変革を重視」する方針。
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フィラの事業規模は、14年が200億円で、15年が214億円、16年が227億円。サブライセンシーは15社18アイテム。新たにフレグランスでフィッツコーポレーションと契約し、持ち運びに便利なフレグランスボトルも発売する。販路はライフスタイル専門店などで、「これまでフィラとしては手がけていなかったルート。新たなファン層の獲得に期待」する。
17年で好調だったのはカジュアルウェアなど。今後、メンズウェアの伸びを見込んでいる。シューズは韓国の大ヒットが日本にも波及してプラスの効果を生んでいる。今後、有力専門店の協業を加速し、ブランドイメージの発信を強める。公式サイトでのECの伸びも全体を底上げした。17年の公式サイトによるECは20%増だった。
各アイテムを集積したショップは、ブランドの認知度アップを目的に出店している。渋谷店がインバウンド(訪日外国人)需要もあって想定以上の売り上げで、原宿での出店も検討する。
順調に規模を拡大するなか、18年は売り上げ増よりもブランド価値の向上に力を注ぐ考え。感度の高いショップとの取り組みを強め、次の成長に備える。