伊藤忠「フィラ」過去最大の事業規模へ 靴など拡大

2017/11/28 04:30 更新


 伊藤忠商事の「フィラ」が今年も好調だ。1~6月の事業規模は前年同期比12%増で過去最高の水準を確保し、通期でも過去最高を見込む。本国を含め、韓国、中国など世界的な露出の高まりも、日本での伊藤忠の事業を後押しする。国内ではセレクトショップからの引き合いが強まり、今後、シューズの伸びも期待している。

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 フィラは伊藤忠が日本でのマスターライセンス権を保有する伊ブランド。若い層での認知度が向上し、事業を拡大してきた。その規模は14年が200億円、15年が214億円、16年が227億円で、今年は250億円をうかがう勢いだ。上期は主力サブライセンシーのなかでもカジュアルウェアなどが好調で、全体を引っ張った。

 サブライセンシーでは17年春夏から丸紅フットウェアがシューズを始めたほか、今年からインナーでカイタックファミリー、ソックス・ストッキングでナイガイが扱いをスタートした。現在、サブライセンシーは15社18アイテム。

 好調の要因は、フィラ全体の露出が国内外で高まっている点。米国で協業アイテムを相次いで投入し、米国を訪れる日本人バイヤーにも認知されている。特に海外では、過去の定番シューズを復刻したヘリテージラインが好評で、ブランドイメージの向上に寄与している。ヘリテージラインは国内でも有力セレクトショップで販売され、その雰囲気を残しつつ、やや価格を抑えた新たなライセンスライン「F‐Style」(エフスタイル)を18年春夏から投入する。直営店や有力ショップで販売する予定で、シューズの拡販につなげる。一方、カジュアルウェアは、若年層に人気のセレクトショップとの協業アイテムが引き続き好評で、「これまでフィラを知らなかった層にも広まってきた」という。

 フィラ事業は伊藤忠のブランドビジネスでも有数の事業規模に育ってきたが、今後は300億円がターゲット。3年後の達成を見据え、既存ビジネスの底上げとEC強化、有力ショップの協業を推進する。

18年春夏に投入するシューズ「エフスタイル」



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