伊藤忠「フィラ」、若年層に浸透

2015/04/06 08:50 更新


 伊藤忠商事が日本でのマスターライセンス権を保有する伊スポーツブランド「フィラ」が好調を続けている。14年1~12月の事業規模は200億円(小売りベース)で、前年に比べて20億円の増加となった。サブライセンシー16社20アイテムのうち前年実績を上回ったのが14アイテム。とくにカジュアルウエア、テニスウエア、子供服がリードした。

 フィラが好調なのは、テニスブームや90年代ストリートブームといった外的要因だけでなく、若年層の認知度アップに向けたマーケティングが奏功していることも背景にある。佐々木希さんと溝端淳平さんをイメージキャラクターに起用。地道に発信を続けたことや、セレクトショップや若年層に人気のある専門店との協業も強化。フィラが特徴とするファッション性の高さが若年層に浸透している。

 米国での人気上昇も追い風となっている。とくに米国ではシューズが好調で、復刻版の投入もあいまって、ブランドイメージが向上。「米国でのフィラのイメージが、日本にも波及している」と見ている。

 今年の方針は、ファッション性の高さを打ち出しつつも、スポーツブランドとしてのイメージ発信を強めること。スポーツカテゴリーとりわけシューズの強化に乗り出す。シューズは現在、ウオーキングやカジュアルシューズ中心だが、ランニングシューズを強化している米国とも連動し、大手スポーツ流通への供給を拡大する。

 15年春夏からは、傘、レインウエアでカイタックファミリーが新たにサブライセンシーに加わり、現在17社21アイテムの体制となっている。

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