サステイナビリティーと経済合理性をいかに両立するかが業界の課題となっている。伊藤忠商事は、〝動脈〟と〝静脈〟が連動する循環型社会の構築に向けた取り組みを推進している。
(北川民夫)
DMT法生かして
「19年に立ち上げた『レニュー・プロジェクト』がこの数年で前年比30~40%で拡大している。吸水速乾やストレッチなど機能性を付加したり、車両用途など産業資材向けで高強力ポリエステルをはじめ多様な商材を充実し日本国内の流通シェアも着実に高まっている」と、林進平ファッションアパレル第三部繊維原料課長代行は強調する。
レニューのケミカルリサイクル技術は、DMT法と呼ばれる帝人の持つ製造技術を背景に、ポリエステルを原料モノマーDMT(テレフタル酸ジメチル)に戻し再重合する。この高度で安定的な製造法により、「異形断面やバイメタル、クレーター構造など多種多様な開発が可能だ」という。