イッセイミヤケの「ハート」(皆川魔鬼子トータルディレクター)が9月1日、ブランドを刷新する。21~22年秋冬コレクションから、時間軸で捉えた三つのライン「エブリデイ」「エブリウィーク」「エブリマンス」を設け、現代のライフスタイルに合った新しい服を提案する。引き続き、環境に配慮した原料や製法も積極的に取り入れ、「持続可能で無駄をなくす物作り」(皆川)に磨きをかける。
エブリデイは「季節の移ろいや気温変化にも対応する日々の一着」、エブリウィークは「あらゆる場面でジェンダーレスに着られる高品質な一着」、エブリマンスは「熟練した作り手から生まれた特別な日のための一着」。使用頻度で分けた構成で、「独自のライフスタイルを楽しんでほしい」と考えた。ジェンダーレスサイズは新たに加え、少しずつ増やし、女性のゆったり志向にも対応していきたいという。
ハートは昨年、20周年を迎えた。節目にできることを考えていた矢先のコロナ禍で、「ライフスタイルに合わせる必然性」を感じたという。持続可能を目指した物作りもその一つであり、さらに強化する。テキスタイルから発想する自然志向のブランドとして、以前から向き合ってきた。「ゼロウェイストまでは難しくとも、ローウェイストになるよう」アイテムを絞り込み、環境に配慮した素材を使う。オーガニックコットン、環境負荷を抑えたポリエステル、再生セルロース繊維のキュプラや「モダール」、リヨセルなどだ。製造工程では、経験豊富で信頼のおける作り手や老舗と組む。アイテムの数は減らし、完成度と時間の短縮を求めることを重視する。「この時期だからこそ、無理のある新しさは避けている」という。
9月1日から、東京と大阪で特別展示「エブリタイム」を開く。東京は同30日までハート青山店、大阪は同27日までイッセイミヤケ・センバ。21~22年秋冬コレクションとともに、写真家の高木由利子氏が捉えた新生ハートのビジュアルストーリーを展示する。ウェブサイトやインスタグラムでも発信する。