《ファッションビジネスは今、何をすべきか》ほぼ日 糸井重里社長 売れるモノを生み出す場とは? 説明できて、うそをつかない

2020/02/23 06:30 更新有料会員限定


「ほぼ日刊イトイ新聞」は、手帳をはじめとするオリジナル商品や「水沢ダウン」などファッションも売るウェブメディア。運営するほぼ日は、コンテンツを作り、仕入れ、流通させる道のり全てを自社でこなし、ヒットを生んできた。

 小さな企業が作っている良い靴下を「ほぼ日」で売っているんですが、作る分だけ売れちゃうんです。売るのがうまい店はたくさんありますが、そういう店に置いてもあんまり売れないそうです。デサントの「水沢ダウン」も売っていますが、受注販売で値引きすることなく、売れています。

◇使われるまでの道のり全てが大事

 売れるのは、ちゃんと説明できるから。それは、うそをつかない良い店員と同じです。同じ商品がずらっと並ぶ店でどれがいいか、見ただけでわかることはない。僕らは商品の良さ、使った人の感想、生産者がどうして作ったのか、どういう土地でどんなふうに作られているかを伝えるようにしている。

 どういうふうに伝えたらお客さんが選んでくれるか、考えて丁寧に紹介して、それを読んだ人が使って良かったら、次のお客さんは、その人が紹介してくれる。2番目のお客さんがそんなにたくさんのストーリーを知らなくても、先に使った人が「とっても良いから使ってごらん」って薦めてくれる。

 ほぼ日手帳の発売初期にロフトの売り場で、友達を連れてきたお客さんが自分の使った手帳について紹介してくれていたんですよ。それはどんなセールスマンよりもずっとリアリティーがある。うそがないし、信用もあるし、それが僕らの成長を支えてくれたんだと思うんです。

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