時には「コレ」と決めてショッピングに向かうこともあるけれど、案外フラリと出かけ「一目ぼれして、デニムを購入!」なんていうパターンもあったりする。
もしかすると、どんな「出会い」も構え過ぎない方が、訪れる可能性が高いのかもしれない⁉(笑)。そこで今回は、そんな気分で出会った作品をシェアしたく――。
思い返せば前述のショッピング関連で、しばしば失敗と成功を繰り返したのが「ジャケ買いCD」。なんとなく「ワタシ好みかも?」と思いきや、「ちょっとガッカリ」または想像をはるかに超え「トリ肌がたつほど!」の感動を覚えたアルバムも。
そして本作『黄金のメロディ マッスル・ショールズ』はまさしく後者! “GOOD MUSICとの出会い” であり、かつまたサウンドクリエイターやミュージシャン達のリアルヴォイスを見聞きする、素晴らしい出会いをもたらしてくれるのだから。
おそらく相当なマニアでなくても、きっと一度は耳にしたことがあるだろう「男が女を愛する時」が生まれた場所。また、ザ・ローリング・ストーンズやU2ボノ、アレサ・フランクリンといった大御所からアリシア・キーズまで、世代を超え、アーティスト達を魅了する「ソウルミュージックの聖地」にして「黄金のメロディ」の故郷。それがアメリカ南部、アラバマ州の小さな町、マッスル・ショールズ。
ネイティブ・アメリカンに「歌う川」と称されるテネシー川のほとりにたたずむこの地が誇るランドマークともいうべき、伝説のレコーディング・スタジオを舞台に、人が出会い、そして信頼の絆から新たに奏でられ、紡がれてきた輝ける音楽の歴史。そうした一つ一つが、観客それぞれのハートでとらえ、そして気づけば瞳にキラリと光るモノが宿っているかもしれない☆
このところ公開になる新作映画や雑誌の旅先情報などでも目にする頻度が高い台湾と、俳優陣も含め日本との合作によるサイクリング・ロードムービー『南風(なんぷう)』。
主人公は失恋した上、ファッション誌から企画ページ担当への望まぬ異動、と公私ともにアンラッキーモード全開な雑誌編集者の藍子(黒川芽衣)。取材のため訪れた台湾でガイド役を申し出る、偶然なのか必然なのかは不明だが、モデル志望という年齢詐称の台湾女子(テレサ・チー)との出会いが軸となる本作。
時にぶつかりあいながらも互いを知り、共に成長し、ラストは思いを重ねるという胸キュンな展開が、ココロがほんわかと温かくなるのを実感する。またヒロインと自身の職業が似通っているせいか、感情移入してしまうことしばしば(笑)
ところで、本作にはさらに「+」要素があり、「映画+マンガ」の日台同時連動企画も行なっている。完成までのプロセスは同時とはいえ、映画とマンガは異なるストーリー展開のため、登場する観光スポットは別、というこだわりが読者も観客もウレシイのではないかなぁ☆
うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中