マリアンネのほほ笑みに宿る温もり(宇佐美浩子)

2014/04/25 14:10 更新


「なんとなく楽しそう!」

そんなイメージを抱く、やや人生キャリア高めなレディがほほ笑んでいる映画「バチカンで逢いましょう」のチラシ。フレッシャーズの多いこの季節に、リフレッシュ気分を誘ってくれそうな予感。さて、その答えとは…

というわけで、マシュマロのようにふんわりと柔らかな気分を誘ってくれるルックスのマリアンネ・ゼーゲブレヒトがヒロイン、祖母役を演じる本作。ローマを舞台に繰り広げる奇想天外なストーリーは、家族という大きなテーマにさまざまな彩りが添えられ、観る者のハートを心地よく刺激してくれる。

また数ある印象深いシーンの中でも、突然の結婚騒動の際、ウエディングドレスに生花のコサージュと髪飾り、そして美しいベールをまとったマリアンネの愛らしさ。エイジングすらも魅力の一つにしてしまうのが彼女らしさだな、と思わずにはいられない。


 


 加えて、胃袋からハートを射止めるという言葉通り、劇中、彼女が作るドイツ・バイエルン料理の数々にすっかりココロ奪われてしまう方も多いはず。とりわけ物語のシグネチャーディッシュとなる、皇帝(カイザー)フランツ・ヨーゼフ1世のために考案されたというパンケーキ系デザート「カイザーシュマーレン」。未体験者はその味わいを試してみたくなるのでは。そうした方々に向け、期間限定開催中(~5月25日まで)の「TOKYOカイザーシュマーレン・フェスタ」は要チェック。スイーツ好きでもある私は、早速、テイスティングへ・・・


 


笑って、食べて、時に恋して。これら3大要素はやはり人生に必須ビタミンとなるに違いない!

バチカンで逢いましょう

4月26日より新宿武蔵野館ほか全国順次公開予定

© 2012 Sperl Productions GmbH, Arden Film GmbH, SevenPictures Film GmbH, Co-Produktionsgesellschaft “Oma in Roma” GmbH & Co. KG, licensed by Global Screen GmbH.

ところで25年経過した今なお、新たなファンへと感動の連鎖が続いているという映画「バグダッド・カフェ」。当時、日本の映画ファンには馴染みの無かった前述の女優、マリアンネ・ゼーゲブレヒトだが、彼女の温かな存在感とマジカルな魅力で包容力たっぷりに観客をナビゲート。そしてまた心に染みいるJevetta Steeleの歌声が、いつまでも耳にこだまするテーマソング「Calling you」。この曲も多くのアーティストがカバーするほどのヒット作として知られる。


 

 

その後、「完全版」をはじめ、2008年のカンヌ国際映画祭での上映に続き、翌年には日本でも劇場公開された「バグダッド・カフェ ニュー・ディレクターズ・カット版」。こちらはパーシー・アドロン監督自ら全ての色と構図を再調整して製作されたという。現在Blu-rayでも楽しめるとあり、さまざまな世代に親しまれつつある様子。マリアンネの魅力Before/Afterを比べてみてはいかがだろう。


 
『バグダッド・カフェ ニュー・ディレクターズ・カット版』
Blu-ray発売中
発売元:IMAGICA TV
販売元:紀伊國屋書店
Ⓒ2008 KINOWELT INTERNATIONAL GmbH



うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中



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