フォーエバーな女優たちに憧れて(宇佐美浩子)

2014/04/15 13:54 更新


スクリーンに登場する国際色豊かなシネマの数々。時に、つかの間の時間旅行へと誘われるストーリーに、より一層の輝きを添える俳優たち。そうした彼らへの私的まなざしというのは、時代や世代によって移ろうものなのではないか、と昨今実感する。

たとえばティーンエイジャーなら「キュートな男優たちに瞳が釘付け!」なのだが、いつしかエイジレスな女優たちへの憧れへと関心は移っていくものでは?

というわけで、さまざまな視点で楽しむ「Colorful CINEMA Life」。そのデビューを飾るのは、ずばり「フォーエバーな女優達EAST&WEST」!

まずはWESTから、この女優の新作プチ・プレビューを――。

演技力はもちろん、その存在感、そしてどの時代にもオンリーワンの個性が光るメリル・ストリープ。彼女が母親役で主演、そして娘役にはジュリア・ロバーツ、ほかユアン・マクレガーや注目の新鋭ベネディクト・カンバーバッチまで新旧混在の豪華な顔ぶれのキャスティング。さらに製作はジョージ・クルーニー率いるプロデューサー陣などなど、話題に事欠かない「8月の家族たち」。

ちなみにメリル・ストリープの役柄は、気性が激しくクチが悪い。その一方で率直な面も併せ持つ、現在闘病中の母親という設定。「う~ん、納得」と思われる方も多々おいでかもしれないが、本作でご自身が持つ「俳優としてのノミネート最多記録を更新」と聞けば、細部に至るまでの表情、立ち居振る舞い、それらいずれの圧巻ぶりはご想像がつくだろう。そしてほのかに香るエレガンスも・・・

 

8月の家族たち』 4月18日よりTOHO シネマズ シャンテ ほか 全国公開予定Copyright Ⓒ

2013 AUGUST OC FILMS,INC.All Rights Reserved.

そしてEASTからはこの女優、樹木希林。

 

新作「神宮希林 私の神様」は、初のお伊勢参り1人旅編とでも称したいドキュメンタリ―作品。

2013年に行なわれた式年遷宮をめぐる旅でもある本作は、伊勢詣で経験者さえも目にしたことのないシーンに、多々出くわすことになるだろう。そして軽やかながらも詣でる気持ちが伝わる彼女のいでたちに、観る者までも身が引き締まる。とりわけ白いシャツに黒のフロックコート風ジャケット&パンツ姿は、まさに樹木さんスタイルそのものと言えそう。

さて、独自の言い回しが印象的な彼女の台詞の一つに「生きることに疲れたら、どうぞ(映画館に)眠りに来て下さい」とある。それはまた重ねる人生のキャリアが「=(イコール)」で俳優としての魅力にプラスされていく、そんな理由の一つに加算されたようにも思う。

 

 『神宮希林 わたしの神様』 4月26日よりオーディトリウム渋谷、新宿武蔵野館(モーニングショー)ほか全国順次公開予定

Ⓒ東海テレビ放送



うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中



この記事に関連する記事