「東京×」<フランス編>(宇佐美浩子)

2021/07/07 06:00 更新


いよいよ東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開幕に向け、カウントダウンが始まった7月。熟成期間1年を経て、より一層深みを増した大会になることを期待したい。

そこで7月の「CINEMATIC JOURNEY」は、「東京×」をテーマに多国籍の「シネマ&」な内容でお届けします。

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それでは早速、オープニングを飾るのは「フランス編」。しかもオリンピック競技にも関連する何かが登場するアニメ『ベルヴィル・ランデブー』。

「ツール・ド・フランス」という、フランスの7月の風物詩的自転車ロードレースをご存じですか?

かれこれ1世紀以上も前の1903年に開始され、フランス国内および周辺地域を約3300km高低差2000m以上の起伏に富んだコースを走り、当初はパリ市内をゴールとしていたそうですが、1975年からはシャンゼリゼ通りが最終ゴール地点。

そして第108回目を迎えた今年は前倒しとなり、先週末6月26日から7月18日まで、今まさに開催中!

そんなレースに参戦するまでになった孫とおばあちゃんの心温まる、とはいえ決して平たんではなく、レースにも似た山あり谷あり的、起伏に富んだ物語がユーモアとアイデアいっぱいに展開される。

2003年のカンヌ国際映画祭で特別招待作品として正式上映され、ニューヨーク映画批評家協会賞ほか数多の映画賞を受賞。またフランス映画初のアカデミー賞長編アニメーション映画部門にノミネートされるなど、本国のみならず時を経た今なおグローバルに愛される傑作アニメの1本として知られている。

その魅力はやはり、3Dの技術を取り入れながらも温もり感あふれる手描きへのこだわりだと思う。「タンタンの冒険」に代表される19世紀を起源に、フランスやベルギーなどを中心に発展を遂げた、フランス語圏では「9番目の芸術」と称される漫画「バンド・テシネ」作家出身の監督、シルヴァン・ショメ。

「言葉なくして表情で語る」的キャラクターや、幾重にも仕掛けに富んだ映像美、そして伝説の三つ子老婆ミュージシャンが歌うスウィンギング・ジャズなど、タイムレスな味わい深さがスクリーンに広がる。

ベルヴィル・ランデブー

7月9日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国ロードショー

配給:チャイルド・フィルム

©Les Armateurs / Production Champion Vivi Film / France 3 Cinéma / RGP France / Sylvain Chomet


「上記のマップは何?」かと言いますと、どこかで耳にしたこともある伝統的フランス菓子「パリ・ブレスト」にまつわるマップです。

前述のシネマ同様、1891年に開催された自転車のロードレース「パリ・ブレスト・パリ」を記念して考案されたとそうで、その歴史を、このほど初めて耳にしたばかり。

ちなみにこちらのレースは、お菓子のネーミングにもなったパリとフランス西部に位置するブレスト間の往復だったそう。というわけで、「自転車の車輪に着想を得たリング状のシュー生地を、真横に切り分け、プラリネを加えたアーモンド風味のバタークリームをサンドし、トッピングにアーモンドスライスとパウダーシュガー」というのが定番なのだそう。

そこで、このほどオリンピックが開催される都市「東京」、そして時期開催地である「パリ」を結ぶ「パリ・トーキョー」をテーマに、「フランス パティスリーウィーク2021」※が7月2日より開幕中。(~7月18日)

当イベント参加の日仏のパティシエ。「パティスリーカメリア銀座」 パティシエ 遠藤 泰介氏(右)、「ベージュ アラン・デュカス 東京」 シェフパティシエ ドゥグラス・オベルソン氏 (左)

関東エリアの注目のパティシエやシェフのパティスリー(洋菓子店)など52店が参加し、各々がイメージする「パリ・トーキョー」の味わいはいかに?

またその感動を同時に開催中のフォトコンテストに参戦してみては?


「二人以上でシェアしたい!ザ ストリングス 表参道『カフェ&ダイニング ゼルコヴァ』のマンゴーパリブレスト」

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うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中



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