パヴァロッティと馬で旅!?(宇佐美浩子)

2020/09/09 06:00 更新


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公開が延期になっていた待望作が、徐々に公開され始めた昨今。

過ぎ去りし真夏の太陽が似合うキング・オブ・3大テノールが今、スクリーンを照らしています。

『パヴァロッティ 太陽のテノール』


「神に祝福された声」を持つと称賛されるルチアーノ・パヴァロッティ。そのふくよかなボディから発せられるイメージ通りの朗らかで味わい深い歌声が、どこからともなく聞こえてきそうな…

惜しくも2007年9月6日に天へと旅立った氏の命日直前の9月4日、日本での公開となった初のドキュメンタリーが本作にまつわるイントロ。

そこで9月最初の「CINEMATIC JOURNEY」は、そんな彼を主人公に「パヴァロッティと馬で旅!?」をテーマに開幕。さて、そのネーミングの由来は?

という謎解きゲーム風でスタートした今回。

世界的に名声を博したオペラ界のスーパースターの人生を、貴重な初公開映像や23人のインタビューを交えつつ、多面的に映し出していく。

そんな本作もまた、ある種の謎解き風ワクワク感に満ちている。


愛すべき家族、仕事仲間、そして掛け替えのない絆で結ばれた人々との出会いを通じ、さらに人間味を増していく。

そうしたプロセスのごく一部に出会えるのも本作の魅力だと思う。

たとえば

☑前述の「3大テノール」ことホセ・カレーラスとプラシド・ドミンゴ(画像上)とのオフステージ。

☑チャリティコンサートを通じて知り合ったダイアナ妃との交流から(画像下)、生涯を通じて貫いたボランティアや慈善活動への尽力と献身の精神。

☑ロックミュージシャン等とのチャリティコンサート「パヴァロッティ&フレンズ」の企画&開催により出会った、国際的慈善活動家としての知名度も高い「U2」ボノとの友情。

こうした幅広い交友録からも、人間パヴァロッティの新たな一面を垣間見ることとなるだろう。


『パヴァロッティ 太陽のテノール』

9月4日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー中

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「パヴァロッティと馬で旅!?」をテーマに巡る「CINEMATIC JOURNEY」。その由来となる話題をここで!

「人生に思い残すことなくエネルギッシュに生を謳歌したのでは?」

本作の試写観賞以来、パヴァロッティのライフスタイルに興味津々となり、ネットサーフィンを重ねる中、多彩な趣味に関しても知ることとなった。とりわけ馬に対する情愛は格別だったようで、その代表格となるのが、1991年から2001年まで開催していた「Pavarotti International Horse Show」※なるイベント。

※cf. Pavarotti International Horse Show  CLUB EUROPA - MODENA – ITALIA 11 edizioni dal 1991 al 2001 / dal 1991 al 1996 C.S.I.O. di San Marino / dal 1997 al 2001 C.S.I.O. di Modena

馬と一緒にほほ笑むパヴァ様のショットには、思わずキモチもスマイルになりそう!

また多くのシーンで目にするカラフルなスカーフのコレクション。(残念ながら訪れたことは無いのですが...)氏の故郷モデナにあるパヴァロッティ博物館のサイトを拝見する限り、それらも展示されているとのこと。

そこで質問です!

ここでやっと、今回のテーマの由来にお気づきになったのでは?

馬も好き、スカーフも好きなパヴァロッティ。さて、その共通項とは?

答えは「エルメス」

もちろん、氏のスカーフコレクションの全てではないにせよ、上記のダイアナ妃との対話シーンでも、エルメスの艶やかで大ぶりな「カレ」(スカーフ)をサラリとコーディネートしている伊達男なのです!

言うまでもなく「エルメス」は1837年、ティエリー・エルメスが馬具職人として創業して以来、鞍づくりのエスプリがブランドのインスピレーションの源となっていることはご存じのことと思います。

おそらくそうしたブランドの背景も、パヴァ様の心に響いたのではないかなぁと勝手ながら想像してしまう訳でして...

そこで次なる目的地は「銀座メゾンエルメス フォーラム」にてスタートし11月29日まで開催中の、エルメス財団主催による「ベゾアール(結石)」シャルロット・デュマ展


上記の画像は、アムステルダムを拠点に活動するオランダ出身の写真家、アーティスト、デュマさんの愛娘が馬と戯れるシーンがなんとも微笑ましい映像作品「依代(よりしろ)」の1カット。

実は展覧会全体を通じ、本展の主人公的存在が「馬」なのです。

そもそも彼女の創作テーマは、「現代社会における動物と人の関係性」だそうで、2014年からは北海道、長野、宮崎、与那国島など日本の8カ所を巡り、在来馬を撮影し続けているとのこと。

馬の撮影を通じて発見した原始の風景、またベゾアール(動物の胃や腸の中に形成される凝固物)や埴輪、木馬などといったオブジェや写真、近年の映像作品3点と共に、「生」について再考するチャンスとなりそう。

なお、本展のもう一つの注目作品と言えるのが、「有機的につながり、発展をしてきた」というデュマさんのオンラインによるギャラリートークでの表現が印象的な、数年前の偶然の出会いから始まったテキスタイルデザイナー、キッタユウコとのコラボ。

2011年に沖縄県北部ヤンバルに移住し、琉球藍に出会ったキッタさんは、「自然と人間を媒介するというコンセプトを軸に衣服や空間作品まで幅広く制作を行なっている」とのこと。

ちなみに上記画像の愛娘のコスチューム、また下の画像の藍染の布も彼女の作品です。

緞帳的印象も持つ藍色の布の間から映し出される馬の映像に、パヴァロッティの歌声を心ひそかにマリアージュさせてしまいそうな作者でした!


≫≫宇佐美浩子の過去のレポートはこちらから

うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中

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