「ルコタージュビルディング」 カントリースタイル編集の2店
東京・神宮前に、大人が足を伸ばしたくなる新スポットができた。新設された「ルコタージュビルディング」の1階に、恵比寿南から移転したメンズセレクトショップ「ハミングバーズヒルショップ」とアメリカンレストラン「ハミングバーズヒル」、新規店のレディスアクセサリーショップ「アトリエニノン」がオープンした。
総営業面積382平方㍍。ビルとショップは、ユナイテッドアローズ創業メンバーで元役員だった水野谷弘一社長と、その妻でアクセサリーデザイナーの水野谷みゆきディレクターが運営する。夫妻の愛する欧米のカントリースタイルを、それぞれの視点で編集した、こだわりのラインアップとなっている。
水野谷社長が手掛けるハミングバーズヒルショップのテーマは、アメリカンビンテージのミックススタイル。ビンテージのシャンブレーシャツに刺繍作家がステッチを入れたオリジナルをはじめ、「エンジニアドガーメンツ」や「ポストオーバーオールズ」「ナイジェル・ケーボン」、シューズでは「オールデン」「トリッカーズ」「ユケテン」など、骨太なブランドが並ぶ。
そこにオルテガ社の織物やビンテージのナバホ族のシルバーアクセサリーといった、ネイティブアメリカンのエッセンスをプラス。ネイビーとブラウンを軸にしたぬくもりのあるカラーで統一されている。新たに「ロスポブラノス」などライフスタイル関連のアイテムも販売する。
「アトリエニノン」は、明るく日の差し込む店内に、ビンテージのコスチュームジュエリーやドレス、ケーキスタンドなどが並ぶ、ノスタルジックかつフェミニンなショップだ。「スタイルを持った大人の女性が、何かスペシャルなものを見つけられる店にしたい」とみゆきディレクター。ビンテージパーツを使ったオリジナルのアクセサリーのほか、セミオーダーの帽子なども揃う。春には、コレクターも多い70年代の「オジー・クラーク」のドレスを集めたフェアを予定するほか、カリグラフィーの作家を招いてのサンキューカードの書き方や、コサージュ作りといった暮らしに寄り添うワークショップも計画中だ。
「洋服と店と接客が好き」水野谷弘一さんの話
ハミングバーズヒルショップは、オープン当初は普通のセレクトショップでした。買い付けブランドもいろいろあったんです。今はほとんどアメリカ製と、なおかつビンテージライクなイギリス製が中心。イタリア製とフランス製、中国製は入れない。小さい店なんで、そんな感じにしています。
自分は基本はフレンチアイビーなんだけれど、デザイナーものも好きだし、古着も着るようになりました。昔は古着嫌いだったんです。それがなぜか「あぁ、古着ねぇ!」ってある時目覚めて、買い付けに行き、深掘りしてディーラーと知り合い、40~50年代のものを見ていくうちにだんだんとコレクションが増えて、今に至る。
恵比寿の店では週5で店に立ってましたから、ここでも販売員します。洋服が好き、お店が好き、接客が好き。だから今ここにいる、みたいな。ずっといるんで、知ってる人たち来てちょうだい。亡くなったらここ(コレクションの並ぶVIPルーム)に写真置いときますから「あぁ~、水野谷っぽいよね」って笑っていただければいいんじゃないでしょうか。