ジャージーに代わるカッコいい男性服を、プリーツ加工を駆使して提案する「オム・プリッセ・イッセイミヤケ」。18年春夏は前シーズンに引き続き、縄文時代の文化をひも解いてコレクションを作った。ブランドが得意とするスポーティーなスタイルに、縄文のエッセンスを軽やかに取り入れている。
18年春夏を象徴するモチーフは土偶。17年秋冬のモチーフだった縄文土器と同様に土のニュアンスが感じられるだけでなく、ユーモラスなフォルムとチャーミングな表情が特徴だ。多産や豊穣を祈るために作られたとされ、キャラクターが際立っている。点描で描いた「遮光器土偶」や「ミミズク土偶」をシャツやTシャツ、パンツなどにプリントし、鮮やかな黄色や水色を差してポップアートのように仕上げている。
フォルムも土偶っぽい。極端に張った肩や細いウエストを、プリーツ加工を施した無地のTシャツやパーカで表現した。サルエル風のゆるいパンツは、土偶の曲線的な足を連想させる。今どきのストリート風のビッグシルエットだが、どれも土偶のフォルムが背景に隠されている。
プリーツ加工を施した素材は、スポーティーなメッシュ地。ラスティックリネンや綿麻のジャージーなど、生成りの粗野な素材と組み合わせる。日本の伝統や文化を背景にした物作りにも力を入れており、芭蕉布や刺し子の模様をプリントしたシャツやプルオーバーも継続している。
オム・プリッセ・イッセイミヤケ
雑貨は、従来のシンプルなプリーツバッグに加えて、しっかりとしたフォルムの「プリーツデイパック」(4万5000円)や「プリーツフラットバッグ」(無地3万5000円、プリント4万6000円)を新たに開発した。写真の柄は、「矢じり」を織りで表現している。
同ブランドは、イッセイミヤケのほかのブランドよりも値頃感があり、20代から30代の若い男性を中心に、中高年から女性まで幅広い層に受けている。直営店や本社チームには若いスタッフが多く、若々しいアイデアが感じられる。
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