「アウトドアウェアに思うこと」 キーパーソンとコアユーザーが語る

2024/07/22 12:30 更新有料会員限定


 パフォーマンス、ライフスタイル、ファッション。アウトドアウェアとひとことで言っても、その領域は幅広い。各分野の開発にたけたキーパーソンと、コアユーザーを代表してタレントのなすびさんに、「アウトドアウェアについて今、思うこと」を聞いてみた。

  • タレント・俳優 なすびさん
  • アンドワンダーデザイナー 池内啓太さん
  • ファイントラック社長 金山洋太郎さん
  • ゴールドウイン ザ・ノース・フェイス事業本部ザ・ノース・フェイスアパレル事業部長 西野美加さん

過酷な環境で機能の進化を実感!

エベレスト登頂に成功 タレント・俳優 なすびさん

なすびさん

 東日本大震災で被災した故郷・福島に、お金やモノによる直接的支援だけでなく、心の復興につながる何かができないか。そう考え、色々な縁もあり、世界最高峰のエベレスト登頂に挑むことにしました。

 1回目(13年)は酸素ボンベの残量が足りず、山頂まであと200メートル弱というところで泣く泣く下山を決断。2回目(14年)は雪崩事故で登山道が寸断され、3回目(15年)はネパール大地震によって起きた雪崩に巻き込まれ、奇跡的に生還しましたが、登山は中止となりました。

 「もう挑戦することはないだろう」とあきらめていた時、開通したばかりの長距離自然歩道「みちのく潮風トレイル」をPRするため、「全区間を踏破してほしい」と環境省からオファーされたんです。青森・八戸から福島・相馬までの1000キロに及ぶ長いルートなのですが、行く先々で被災した沿岸部の方々からエベレスト挑戦について「元気をもらった」「勇気づけられた」などと、たくさんの励ましをいただきました。そうした声に応えるべく、4回目のチャレンジを決意。16年に無事、登頂を果たすことができました。

2016年、4回目のチャレンジで登頂に成功した

 達成して感じるのは、自分一人では決して登頂成功はできなかったこと。応援していただたみんなの力で押し上げてもらえたと思っています。

 エベレスト登頂から8年が経ちますが、その後も登山用品は日々、進化し続けていますね。23年2月に、国内有数の極寒地として知られる北海道鹿追町で映画「おしゃべりな写真館」の撮影があったのですが、そこでは「コロンビア」の(熱反射保温テクノロジー)「オムニヒートインフィニティ」を搭載したアウターとシューズを着用し、快適に過ごすことができました。同行したマネジャーは凍傷のような症状が出てしまったのに、半日以上、外にいた私は何も問題がなく、びっくりしましたね。

機能×ファッション、今や当たり前

外国人客が熱烈支持 アンドワンダーデザイナー 池内啓太さん

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