「へリュー」デザイナー2人に聞く、日本市場で愛される理由は?

2024/07/08 12:30 更新


ホセ・ルイス・バルトロメさん(左)とアルベルト・エスクリバーノさん

 スペインのシューズ、バッグブランド「ヘリュー」は今年で10周年を迎えた。オリジナリティーのあるデザインとスペインのクラフトワークがバイヤーから高く評価され、日本国内では現在、スーパーエーマーケットやユナイテッドアローズ、ロンハーマン、伊勢丹新宿本店など、30アカウントに卸す。ここ3年の売り上げは60%増ペースで伸びている。愛される物作りの背景をデザイナー2人に聞いた。

(松本寧音)

 僕たちは地中海沿岸の生まれです。幼少期の思い出や経験をモダンに解釈することをコンセプトにしています。

 最初はメンズのシューズから始めました。スペインの様々な地方の伝統的なシューズを発想源とした4型です。フィッシャーマンブーツなど、その土地の気候や産業に応じて、特徴のあるコレクションを作りました。レディスも追加し、バッグは3シーズン目から始めました。

田舎町の壁の柄を型押しで表現したローファー

 日本で最初に買い付けてくれたのはビームスです。1シーズン目から日本は自分たちを理解してくれるマーケットだと感じました。僕らのデザインプロセスでは、スペインの伝統工芸や素材をどう生かしていくかを重視しています。商品が単に可愛い、可愛くないだけじゃない。その後ろ側にある工程や手仕事の技が価値になっています。

 日本人はそれをすごく理解してくれる国民性です。そこに相性の良さがあると思う。だからこそ、欧米よりも日本に早くから受け入れられ、ビジネスが拡大してきたのでしょう。

アイコンの鎖編みのハンドバッグ「ボンボン」シリーズ

 ブランドを立ち上げて10年、自分たちを取り巻く環境に感謝しています。根幹にあるスペインの伝統的な手法や工芸は、昔からの工房が守ってきました。今後も今行っている事業を継続することで、大事な手仕事の部分を支える職人たちの雇用を絶やさないようにしたいです。

スペインの田舎町をテーマにした24年秋冬コレクション

 スペインの守るべき手仕事は、シューズとバッグ以外にもいろいろあります。そういったアイテムもグローバルのECサイトで販売し始めました。スペインの手仕事を紹介する取り組みを拡大したいと思います。



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