90年代後半から00年代にかけて、本紙にストリートスナップの記事をたびたび掲載していました。30年近く前の、都会の一瞬を切り取っただけの記事ではありますが、その背景を店や企業に取材し、ときには売り上げなどの数字も入れていて、当時の商売の動きも少しわかります。“平成リバイバル”など様々なレトロが注目を集めている昨今、改めて読み返すことで、ビジネスに通じるヒントが見えてくるかもしれません。ベテラン記者が振り返ります。
※本文は読みやすく直しています。社名やブランド名などは原文のまま掲載します。
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どっと増えたストリートのオーバーベルト パンチ利かせるアイレット、チェーン
1999年12月4日付
ストリートでじわじわと広がっていたオーバーベルトが、デザイナーコレクションのトレンドアイテムになって返ってきた。丸い大きなバックルやメタルのチェーン、アイレットや鋲(びょう)、クリスタルを使ったものなどデザインも広がって、女の子たちの間で大はやり。夏から店頭に出していた渋谷109のショップでは、「このまま春まで引っ張る」ヒット商品になっている。
オーバーベルトは、タイトなスカートにヒップハンガーでのせるだけ。これでちょっとパンチの利いた女っぽいスタイルになる。可愛いだけじゃ満足しない女の子たちの気持ちにぴったりだ。
「エゴイスト」や「カパルア」では夏から、ローウエストの切り替えベルトがミニドレスやスカートのデザインポイントになっていた。最近は革やチェーンベルトが単独でヒット。カパルアは、楕円(だえん)形のものなど大ぶりのチェーンベルトを10種類以上出した。「ラブペッツ」はアイレットの間に鋲打ちしたもの、「チュプ!」は膝丈タイトスカートに合わせて、クリスタルの細い飾りベルト。「コートを着る時期には難しい商品」というショップもあるが、コートの前を開けてしっかりベルトを見せている女の子もいて心配なさそう。ブルー、パープル、ピンクにグリーンと、色とりどりのセーターやスカートにオーバーベルトで、誰より早く春夏トレンドを先取りしている。
《記者メモ》
ストリートファッションとデザイナーコレクションのトレンドはいつも行ったり来たり。その関係性は今よりもこの頃の方が強かったと思います。
(赤間りか)