グッチはこのほど、新作コレクション「グッチアリア」をデジタル上で公開した。ブランド設立100周年の老舗を指揮するアレッサンドロ・ミケーレは、歴史を大切にしながら思いもよらない化学反応を起こす方法を模索した。そこで実現したのが「バレンシアガ」との取り組みだ。両ブランドのロゴやモノグラムが同居するジャケットやバッグの意外性に思わず2度見してしまった。ミケーレは、「私はおりを破り、デムナ・ヴァザリアの厳格な反逆精神を奪い取りました」と語った。ケリング内での取り組みだけでなく、トム・フォード時代の象徴的なルックも登場した。
【関連記事】グッチが新環境戦略 生物多様性と気候のため供給網改革を推進
コレクションは、きらびやかな光に包まれた。着飾ったモデルたちがホテルのロビーのような空間を抜けると、白く輝くランウェーが始まる。両サイドにたくさんのカメラが設置され、立て続けにフラッシュが光る。80年代前後のファッションショーをほうふつとさせる活気が感じられる。そこに登場したのは、センシュアルなイメージと乗馬の要素、フェティッシュなスパイスなどが混在する華やかなスタイル。ランジェリーのようなドレスやブラトップに、レザーのハーネスと乗馬ブーツを合わせ、腕をふわふわと覆うフェザーが優雅なムードをプラスする。サヴォイクラブと書かれた乗馬帽もキーアイテム。キラキラのドレープドレスやフェザーのケープに襟高の白い付け襟といった組み合わせもミケーレらしい。
(青木規子)