金の小売価格、1グラム1万円を突破

2023/08/29 17:00 更新


 8月29日、金の国内小売価格が1グラムあたり初めて1万円を突破した。田中貴金属工業が金の税込み店頭小売価格を、前日の28日より28円高い1万1円に設定した。円安の進行が主要因とされる。

 金価格は19年まで4000円台で推移していたが、コロナ禍やウクライナ情勢などの政情不安を受け高騰、急激な円安も拍車をかけ、史上最高値を更新し続けている。

 ジュエリー素材ではダイヤモンドや真珠も急騰しており、ジュエリーブランドはこの2年ほどの間に2割前後の値上げを実施してきた。23年春夏シーズンも価格改定が相次いだが、「消費者も慣れてしまったのか、値上げ前の駆け込みも去年ほど見られなくなっている」(百貨店バイヤー)との声も聞かれた。 クリスマス商戦を控える秋冬シーズンは通常、値上げを避ける傾向にあるが、ここへ来ての金地金の記録的な高値を受け、今後の動向が懸念される。



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