靴輸入卸・小売りのGMTが今年で30周年を迎える。フランスの「パラブーツ」、英国の「トリッカーズ」など、長い歴史を持つ革靴のファクトリーブランドを、日本のファッションカルチャーとして根付かせてきた。社長の横瀬秀明は、「時代性を捉え、それぞれに合った見せ方や売り方をプロデュースしていくことが自分たちの役目」と心得る。
【関連記事】靴輸入卸のGMT 丸の内オアゾ1階に「ジャランスリウァヤ」「ジーエイチバス」の複合直営店
セレクト店に着目
横瀬がビジネスパートナーとともに起業したのは94年4月。それ以前は、高級紳士靴の輸入卸で専門店も手掛けるワールド・フットウェア・ギャラリー(WFG)で卸売りの経験を積み、80年代後半にセレクトショップで注目され始めたカジュアルシューズが独立するきっかけとなった。
その一つは、米国でヒッピーが履いていた「バーケンシュトック」というサボ型のサンダル。ビームスが現地の代理店から輸入して売れていたのを横目で見ていたところ、偶然にもWFGの事務所の隣の商社がドイツの駐在員から預かっていた「ビルケンシュトック」と分かった。横瀬は卸売りを引き受け、セレクトショップの売り先を広げた。もう一つが、90年初頭に欧州市場で勢いのあったスペインの「カンペール」。輸入したデザートブーツ型の「ブラザーズ」は日本でも売れた。
ただ、当時、WFGはドレスシューズに力を入れていた。横瀬はファッションアイテムとしての〝成長株〟として本腰を入れたいと社長に相談し、ビルケンシュトック、カンペールの輸入卸を譲り受けてGMTを立ち上げた。
代々木上原で軌道に
この記事は有料会員限定記事です。繊研電子版をご契約いただくと続きを読むことができます。
すべての記事が読み放題の「繊研電子版」
単体プランならご契約当月末まで無料!