【パリ=松井孝予通信員】パリ郊外で6月27日に起こった警官による17歳の北アフリカ系少年射殺をきっかけに起きた暴動の被害について、仏政府は、1000を超える商店が強奪や破壊の被害にあったと報告した。各地で約5日間続いた暴動は、事件と関係のない市長や市民の死傷者が出る惨事を招いた。
パリは中心地のショッピングセンターなどが襲撃されたが、ラグジュアリーブランドの店舗は年金改革反対デモ時の暴動と同じく、即座に防壁を設置して通常通り営業し、被害を免れた=写真、ルイ・ヴィトンヴァンドーム店。暴動は夏のセール開始と重なり、小売り連盟によると売上高はシャンゼリゼ周辺で前年同期比17%減、地方都市20~34%減だった。政府はセール期間を来月1日まで1週間延長する措置を講じた。セール売上高の25%を占める初日から5日間の書き入れ時が消え、小売業からは「延長しても回復は無理」との声が上がっている。