ファストリ柳井氏 ノーベル賞受賞の山中氏、本庶氏に寄付 新型コロナなどに10年で100億円

2020/06/25 06:30 更新


「個人や企業は本質的な取り組みにもっと支援をするべき」と柳井会長

 ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、ノーベル賞を受賞した山中伸弥氏と本庶佑氏らが進める医療研究に10年で総額100億円の寄付を行う。山中氏が所長を務める京都大学iPS細胞研究所の新型コロナウイルスの研究とiPS細胞の研究のために50億円、本庶氏と京大医学研究科附属がん免疫総合研究センターに50億円を寄付する。山中氏が主導する新型コロナウイルスの研究プロジェクトは5億円を柳井氏が寄付し、20年5月~23年3月末までの期間で、病態解明や検査体制の迅速化、ワクチン開発研究を進める。また、21年から9年間、年5億円、計45億円を寄付し、臨床用iPS細胞の製造施設の設置などに役立てる。

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 本庶氏とがん免疫総合研究センターに対しては20年から毎年5億円を寄付し、PD-1阻害がん免疫療法に対する研究助成のため、「柳井基金」を設置、本庶氏の研究活動を支援する。

 柳井会長は寄付について「お二人の研究は人類全体のためになるものであり、世の中にとってプラスになるこうした取り組みは国からだけでなく、個人や民間がもっと積極的に支援すべき」と話した。山中氏は「国からの支援と違い、民間からの寄付には期間や使途の制限もない」としたうえで「寄付が決まった後、初年度の5億円はコロナ対策に使いたいと伝えたところ、即決で快諾を得た」と民間からの支援の意義を話した。

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