ファーストリテイリング柳井会長 「売上高は問題ではない」 これからは客のためになる店だけが栄える

2020/06/24 06:30 更新有料会員限定


「地域や生活者とのソーシャルな結びつきがこれからの小売業には求められる」と柳井会長

 これからは客のためになる店が栄え、そうでない店はほとんど駄目になる――ファーストリテイリングは、コロナ後のライフスタイルや世界の変化を踏まえた店作りや企業変革を急ぐ。柳井正会長兼社長は「ザラ、H&M、ナイキ、アディダスを超える新しい業態を作りたい」と強調する。今後は「本当に必要な商品を世界と一緒に共鳴して作り、売る。マーケティングを超えたソーシャルな存在になる」考えだ。

(柏木均之)

 4~6月に横浜、原宿、銀座に大型店を出した。3店目の銀座のグローバル旗艦店「ユニクロ・トーキョー」の内覧会で柳井会長は、売上高で同社を上回るインディテックスなどグローバル大手小売りとの差をどう埋めるか問われ、「売上高は問題ではない」と答えた。

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コロナが速めた変化

 実は14年秋には、「3年後(17年8月期)に売上高でインディテックス、H&Mに並ぶグローバルトップ3に入る」と発言していた。19年8月期の売上収益は2兆2905億円。インディテックスの20年1月期の売上高は3兆3000億円強で、1兆円ほどの開きがある。

 発言の変化の背景には、売り上げ規模で競合企業に追いつくより、「社会にとってプラスになり、地域やお客様とソーシャルな関係が構築できる小売業」に変わることを今は急ぐべきとの考えがある。「コロナによって時代の流れは速くなり、10年かかるはずの変化が1年で起こっている」

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