フェスタリアHD ダイヤモンド研究所を設立

2019/10/24 06:26 更新


 フェスタリアホールディングスは、本社商品部内の特命部署として、ダイヤモンド研究所を設立した。

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 一般社団法人ジュエリー学協会代表理事及びジャパンジュエリービジネススクールの校長で、ダイヤモンド研究の第一人者である畠健一氏とアドバイザリー契約を締結。ダイヤモンドの現状、最新技術のリサーチ、各種研究を行う機関として、中立的な価値基準を示す機能の確立を目指す。

 ダイヤモンドの国際品質評価基準は時代と共に変化し、時に消費者の混乱を招いてきたとし、「創業100年を迎える2020年を控え、100年先も変わることのない、天然ダイヤモンドの真の価値を中立かつ根拠を持って世の中に発信していく」(貞松隆弥社長)とする。 畠氏は「既存の評価基準は、ダイヤモンド市場が拡大する過程で大きな役割を果たしてきた。その上で、成熟したマーケットにおいては、より高度な評価基準が必要となってくる」とし、同社の取り組みを全面的に支援する。

 研究所は、畠氏のほか、同社のダイヤモンドバイヤーらで組織。初年度の活動では、同社オリジナルカットのダイヤモンド〝ウィッシュ・アポン・ア・スター〟に対するトレーサビリティー(履歴管理)リポートの導入、学術団体や外部機関と連携しての、より精緻(せいち)なダイヤモンド品質価値の探求、ダイヤモンドの価値に関する史料編集、社内への啓発活動の一環としての研修会の実施を計画する。

 中長期では、既存のグレーディングリポートに代わる、ダイヤモンド価値評価システムの構築、ダイヤモンドライブラリーの開設、資格制度の確立、ダイヤモンド分析機器の導入の推進による第三者機関に頼らないグレーディングシステムの確立などを目指す。

 「日本で最もダイヤモンドに造詣(ぞうけい)の深いブランド」として、ウィッシュ・アポン・ア・スターの真の価値を広く浸透させながら、将来的に世界に通用するジュエリー品質評価のグローバルスタンダードを確立したいとしている。

20年8月期、「WUAS」再成長へ

 フェスタリアホールディングスは20年8月期、主力商品の「ウィッシュ・アポン・ア・スター」(WUAS)の再成長で増収増益を目指す。

 前期は売上高2.7%増、営業利益は約2.5倍と増収増益だったものの、WUASの不振により業績は期初計画に届かなかった。WUASは販売数は8.6%増加したが、高額品が不振で単価が10.1%減となり2.3%の減収。13年の発売以来、初めて前の期を下回った。

 「前期は残念な結果だったが、成長のための大きな気づきをもらった」(貞松隆弥社長)と今期はWUASの成長のための策を徹底する。

 再成長のベースとなるのが今月設立したダイヤモンド研究所。研究所の設立で同社がミッションとして掲げる「ビジュドファミーユ」(絆の継承)の浸透と再徹底、現在の国際基準に照らした天然ダイヤモンドの価値訴求による競争優位性、商品力の向上のほか、社員の自信の醸成にもつなげる。天然ダイヤモンドの新たな価値を伝えることで、合成ダイヤモンドとの差別化も明確になるとみる。

 20年8月期はEC強化や海外事業の収益拡大も進め売上高は3.4%増の103億円、営業利益は約2倍の3億円をめざす。



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