「エンジニアドガーメンツ」の23年春夏コレクションは、エスニック柄のオンパレードだ。17年に72歳で亡くなったセネガルのアーティスト、イッサ・サムの着こなしがおしゃれでかっこいいとデザイナーの鈴木大器が感激し、着想源になった。「5年に1回、春夏だけ派手なものを出す。コロナ禍があったので、楽しくてハッピーな感じをやりたかった」と鈴木。ルックブックも、笑顔のモデルの写真を初めて採用した。
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東欧、イスラエル、アフリカ、インド、インドネシア、南米などのエスニック柄をミリタリー、ワークウェア、スポーツウェアに落とし込む。イタリア製ニットはイカット調の柄、アイビーリーグのスカーフと同じサイズのスカーフはエスニック柄のシルクと、意外な素材との組み合わせが目を引く。異なる柄をパッチワークして、ハンドステッチを加えたものもある。
新しい型は、ポケットやベルトループなどをメンズのドレスパンツと同じ仕様にしたサルエルパンツ、ミリタリーコートの裏地の型紙でつくったロングベスト。ベストは裾を折り返してスナップで留め、丈を短くすることもできる。メンズで初めて使ったピンクはプレッピーの代表的カラー、ナンタケットレッド。随所にエンジニアドガーメンツらしいこだわりが光る。
(ニューヨーク=杉本佳子通信員)