イトキン「エル」 来春夏にMD刷新

2016/11/28 06:56 更新


 イトキンはSC向け主力のレディス「エル」のMDを17年春夏物から刷新する。デイリーカジュアルからトレンドを反映した商品までの幅広い商品構成だったが、今後はエレガンステイストのトレンド商品主力に絞り、質感と価格を上げる。都心型店舗向けの新ライン「エレガンスモード」も販売する。「価格競争から脱却し、感度と質を高めて、他ブランドと差別化する」(桑田久男エル事業部事業部長)ことで、主に30代後半の働く女性の需要を掘り起こし、既存店売り上げを底上げする。

 着用シーンを通勤中心に絞り、「ブランドの幹を明確にする」。これまではカットソートップを軸にしたコーディネートが多かったが、デザイン性を強調したニットトップとボトムのコーディネートを軸にする。

  従来は中国製素材が大半だったが、日本や韓国の素材を増やし、縫製は中国を中心に「百貨店向けブランドを生産している工場」を活用、品質を高める。価格は従来よりも2000~3000円引き上げ、中心価格をブラウス8900円、ニットトップ、パンツ各9900円、カットソートップ7900円、スカート1万1000円にする。

 エレガンスモードは中心ラインよりも価格と質をさらに1ランク上げた商品で、都心部のファッションビルや地下街を含む駅に近い立地の商業施設のショップ約20店で販売する。来春夏はビッグシルエットのコートやミラノリブのニットワンピース、前後で着丈が異なるブラウスなどを打ち出す。中心価格はブラウスとニットトップ、ボトムが各1万5000円、カットソートップ9400円、ジャケット2万8000円、コート3万3000円。各店の全商品の約1割を同ラインで構成する。

 同ブランドは12年に百貨店向け主力の「エル・パリ」とSC向け主力の「エル・プラネット」を統合してコンセプトを見直し、「ライフスタイルブランド」として再スタートした。ただ、ここ数年は「価格が安い商品を大量生産した結果、残った商品の値下げ処分が増え、顧客の離反を招いた」。

 これを踏まえ、30~40代女性を中心にブランドに対するニーズなどの調査を行った結果、「価格の買いやすさよりも新しさや汎用性などを求める声が多かった」ため、来春夏物からのMD刷新を決めた。販売員向けの新たな接客やVMDの研修も実施、販売力を強化する。現在の店舗数はアウトレットを除いて55店。18年1月期は既存店で5%増収を目指す。



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