東京都は、伝統技術や産品を新しい視点で見せる展覧会「江戸東京リシンク展」を、台東区の旧岩崎邸庭園で3月10日まで開いている。現代美術家の舘鼻則孝さんがディレクターとなり、伝統産業の事業者とアート作品を協業制作し、世界に発信していくイベントだ。21年から継続して4回目。
参加したのは、江戸うちわ・江戸扇子の伊場仙、江戸刷毛（はけ）・東京手植ブラシの宇野刷毛ブラシ製作所、江戸組子の建松、新江戸染の丸久商店、和太鼓の宮本卯之助商店、東京組みひもの龍工房の6事業者と、特別協力の金唐紙研究所。
伝統技術のユニークな発展形は、シューズデザイナーとしても活動する舘鼻さんの「ヒールレスシューズ」で協業した作品だ。丸久商店の注染で革底に雷雲を表現し、ぼかしの技術を交えてモダンアートのように見せた。
また、旧岩崎邸庭園など重要文化財に使われる金唐革紙を生かしたヒールレスシューズは、カシュー塗料で色付けし、組みひものリボンを添えて雅（みやび）な雰囲気に仕上げた。
