「ディウカ」秋冬 パターンで生まれる表情に向き合う

2019/03/14 11:00 更新


 レディスブランド「ディウカ」は19年秋冬、クリエイションの原点を見つめ直した。得意の立体裁断を生かしながら、線と線を縫い合わせることで生まれる空間や表情を意識したという。

 デザイナーの田中崇順は「パターンを引くときに線の癖があり、それと向き合った。意識的に線の取り方を変えてみたり、点と点の結びをずらしてみたりした」と話す。例えばVネックのドレスは、腰部分を縦に楕円(だえん)状に切り込んで縫い合わせ、空気をはらんだ柔らかなドレープを作り出す。同素材のハンカチーフヘムのガウンコート(11万5000円)は腰をひもで絞るようにし、腰から下にかけてエレガントな扇状の線を描く。素材は真空窯で特殊加工したウールツイードで、すっきりとした表情だ。

ウールツイードで作ったガウンコートは腰部分を絞って、腰から下にかけてエレガントな扇状の線を描く。11万5000円

 毎シーズン出すオリジナル生地は、線画風のかすれたラインに水彩のような水玉のある柄。器に掛けた釉薬(ゆうやく)が溶けて流れ、溜まることでできる釉だまりから着想し、田中が手描きした。ガウンとドレス、異素材を組み合わせたプルオーバーを作った。

オリジナル生地は釉溜まりから着想し、水彩の水玉が鮮やかだ。ガウン6万8000円

 19年春夏に続き、手描き友禅の伝統工芸士、小倉隆さんとの協業も。今回はオリエンタル柄のベロアで作ったきものをほうふつとするようなドレス、袖を異素材で切り替えたプルオーバー、ガウンを揃える。

友禅を取り入れたウェアはオリエンタル柄が目を引く。プルオーバーは4万5000円


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