フリマアプリの「ディグディグ」(運営はディグディグ、東京、楊承峻代表取締役)が、市場で存在感を高めている。
23年8月のベータ版ローンチから1年弱で、累計30万ダウンロードを超え、月間アクティブユーザーは20~25万人規模となった。若年層を中心に利用が広がり、成長が続いている。中期的には年間流通総額150億円の達成と上場を視野に入れる。
同社はアプリの開始以前から、地雷系、ガーリー、ストリートなどジャンル別のSNSアカウントを複数運営しており、総フォロワーは約100万人に上る。最近では街角スナップやフリーマーケットでの買い物動画が特に注目を集めている。こうした既存のコミュニティーから、アプリへの自然流入につながっている。広告に頼らず伸びてきた要因の一つだ。
サービスの特徴は、出品の負担を抑えた仕組みにある。出品希望者は送付キットに服を詰めて集荷を依頼するだけで、撮影、採寸、検品、発送は同社が代行する。販売期間は3カ月で、売れ残った商品は着払い返却か、提携するリサイクル事業者による再資源化を選べる。従来のフリマアプリで手間となりやすい工程を担い、出品のハードルを下げた。
運用を支える自社開発システムも強みだという。AI(人工知能)を活用し、画像から着丈や袖丈を自動計測する。茨城県に構える900平方メートルの倉庫では、撮影から出荷までの作業を行い、工程を自社開発システムで管理して作業者の生産性の向上につなげている。
現在、アプリで人気のブランドは「カーハート」「リーバイス」「ナイキ」などで、中心価格帯は3000~5000円。ファストファッションは今のところ扱っていない。利用時には1件の販売ごとにシステム利用料750円と、販売価格から利用料を差し引いた金額の15%の販売手数料がかかる。
10月には外部投資家や金融機関から約4億円を調達した。「成長戦略は定まっている。今後の成長に向け最も重要になるのは人材の確保」と話す楊代表。特に幹部クラスの採用を進めていく。

