繊研新聞社が主催する23年度百貨店バイヤーズ賞レディスの部門賞が決まった。23年春夏と秋冬の結果をもとに、全国の百貨店バイヤーから推薦の多かった各部門で28のブランド及びカテゴリーを選出した。
23年度はコロナ禍の沈静化で外出が増えた。イベントの再開、セレモニーの回復、インバウンド(訪日外国人)の復調があり、大幅に売り上げを伸ばしたブランドが目立った。新商品の発売やブランド周年フェア、店頭のリアル催事で、集客に貢献したブランドも選ばれた。
ベストセラー賞では、婦人服トータルで「23区」がOMO(オンラインとオフラインの融合)の「クリック&トライ」サービス導入などで売り上げを伸ばした。「レリアン」はきめ細かな接客などの評価が高かった。顧客管理や情報発信の強みを生かした「マーガレット・ハウエル」も選ばれた。アイテム集積では外出の戻りに猛暑も重なり、晴雨兼用傘や帽子の需要が高かった。
23年度百貨店賞 顧客変化に素早く対応
百貨店賞は7店を選出した。ポストコロナで顧客の価値観やライフスタイルの変化に対応した改装や営業・顧客戦略が広がった。
イノベート賞は、婦人服がプレステージとモデレートアッパーの中間価格帯で独自編集・取引先との協業、紳士服がラグジュアリーブランドの圧倒的な集積で富裕層の買い回りを促した。ES賞は、開店時刻の1時間の繰り下げ、1月1、2日を休業して従業員の働く環境を整えた点に評価が集まった。サステイナブル賞は、人と自然の共生をテーマに社会課題の解決を目指した。キラリ賞は、コロナ下に改装を実施して新規客を獲得、話題賞は、地方百貨店の連携した新たな取り組みが受賞した。