大企業の業績は回復しているが、中堅・中小企業はコロナ禍の影響が長引き、倒産件数が増えている。こうした環境下で最近、金融機関による企業・事業再生を目的としたファンド設立が相次いでいる。今年3月に日本政策投資銀行(DBJ)が創設した「DAYSパートナー投資事業有限責任組合」(DAYSファンド)もその一つ。政府系金融機関ならではの特徴があり、繊維・ファッション産業でも支援が期待される。企業・事業再生が専門で、ファンド運営会社の取締役にも就いた粟澤方智弁護士にファンドの特徴や今後の取り組みを聞いた。
(特別編集委員・矢野剛)
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客観性を担保
DAYSファンドは中堅・中小企業の再生に特化したファンドで、DBJが自ら100%、20億円を出資する。投融資の対象は私的・法的整理下など再生フェーズにあり、売上高でおおむね10億~数百億円前半の企業。事業のジャンルは問わない。運営会社のDAYSパートナーには、粟澤・山本法律事務所のメンバーが同ファンドのために設立した会社(AYLO)が折半で出資し、実務面を支える。粟澤氏は運営会社のDAYSパートナーの2人の取締役のうちの1人だ。