繊研新聞社の「第23回テナントが選んだディベロッパー賞」と「第23回ディベロッパーが選んだテナント大賞」の部門賞が決まった。それぞれのアンケート調査に基づき、20年度の優秀なSCとテナントを表彰する。部門賞から選出する大賞は3月9日に発表する。
〈ディベロッパー大賞〉
売り上げと集客力を評価する敢闘賞は、新型コロナウイルスの影響で売り上げ、客数を伸ばした施設がほとんどなかった中で、比較的健闘した施設が選ばれた。京阪神の一部や地方ではターミナル駅立地や大都市中心部の施設が強みを発揮したが、コロナ下におけるテレワークの広がりと外出自粛、訪日外国人の大幅減を反映し、都市近郊・郊外の施設が大半を占めた。それまで大都市中心部で買い物をしていた地元客の需要をつかんだ浦和パルコ、ルミネ立川が選ばれたのは典型的だ。
新人賞は郊外のららぽーと愛知東郷のほか、大都市部で個性を発揮した施設として、東京・渋谷の宮下公園と一体開発したレイヤードミヤシタパーク、高感度な大人客に向けたライフスタイル提案を重視したニュウマン横浜、百貨店と連動しながら、独自性のあるファッション、カルチャーの提案を強化した心斎橋パルコが選ばれた。特別賞は地域に貢献した施設などのほか、コロナ下でのテナント支援策に対する評価が高かったルミネが企業として選ばれた。
〈テナント大賞〉
コロナ禍を受け、消費者がファッションに求める要素が変わり、そうしたニーズの変化に沿った提案を強化することで健闘したテナントが選ばれた。
ベストセラー賞はアパレル分野で「ユニクロ」「ジーユー」がコロナ下でも安定した集客、売れ行きで選ばれた。イエナカ時間の増加に伴い「ジェラートピケ」も高評価だった。生活雑貨で「無印良品」や「ヨギボーストア」を推す声も例年より多かった。
敢闘賞は全国圏で知名度の高いテナント、地方圏では個性的な品揃えのテナントが選ばれた。キラリ賞は「ニコアンド」と、EC発で実店舗の販売も好調の「ランデブー」が受賞した。
新人賞は眼鏡やアクセサリー、マスクなどコロナ下でニーズの拡大したテナントのほか、ファッションではEC発の「スタイルミキサー」が選ばれた。サービス教育は「ジーナシス」「サマンサモスモス」、デジタル活用では「チャオパニック」「ドゥーズィエムクラス」が選ばれた。
プロポーズ賞はファッションアパレルで地方に店舗のまだ少ないセレクトショップ勢が多く選ばれたほか、コロナ下に伴うニーズの変化を反映し、雑貨やコスメ、アウトドアブランドへの引き合いが強かった。